工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

無限に単純 

2017/07/14
Fri. 23:26

飯南高原にある薬膳レストランのアプローチへ私の野外彫刻を置かせてもらってから、もう5年位は経っただろうか?
今の彫刻のテーマに到るきっかけとなる、自分にとっては重要な位置づけの連作彫刻でLandscape connectionのタイトルで制作を続けていた頃のものが5〜6点ある。
そのアプローチをレストランに向かって進むと洋風の門柱があって、それから先は前庭が広がってレストラン入り口へ続く。
その前庭へは現在の連作彫刻Landscape situationシリーズの初期彫刻を3点ほど設置させてもらっている。

飯南高原は、広島県との県境まで続く島根県東部の豪雪地帯で、暖冬といわれる冬季でも総積雪量は普通に2mくらいまでになる。
さすがにそのレストランも、真冬の時期は客足も途絶えて営業にならないから、だいたい2ヶ月位を休業にして、その間に新メニューの開発をしたり、出張の料理講習会を開いたりして春を待つ。
私の野外彫刻は、積雪を避けて移転することも出来ないので、ひたすら極寒の飯南高原でジッと雪に埋もれたまま春を待つ。

この5〜6年の間にドカ雪が2回位巡ってきた。
彫刻は背の高さで云うと、低いものは50〜60cmくらいで、背の高いもので3m近くある。
島根で暮らし続ける限り、降雪を避けるとか無視するとかして彫刻制作を続けることは出来ない。むしろ、降る雪も含め島根の四季とどのように関わってどのような彫刻にしていくかを考え、共生や協調を目指したほうが彫刻の造形に深みが増す。
彫刻のタイトルに「Landscape」を当てているのも、そのような島根の田舎暮らし事情がベースにあったりするわけだ。

・・・青山元不動 白雲自去来・・・
・・・雲去山嶺露・・・
・・・坐看雲起時・・・
・・・雲流無心亦無心・・・
・・・山是山 水是水・・・
・・・雲在嶺頭 水流澗下・・・
・・・山光我心澄・・・

などなど・・・あげればキリがないほど禅の僧侶は自然の景勝に自らの境地を託す。
字面の意味は乏しい知識を絞って捻るまでもないほどシンプルで、視覚的にスルリと心に入るが、その境地を探るとなると、なかなか奥深いものがあって計り知れない無限の解釈に迷う。
これから先、自分の造形がどこまで「無限に単純である」境地を目指せるかわからないが、自分の彫刻にはそういう目標が託されている。

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