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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

大夜仏事 

2017/08/16
Wed. 23:17

なんとか辻褄を合わせて棚経を調整して、大夜仏事に随喜した。

大夜とは、俗に云う通夜のようなもので、曹洞宗の住職が遷化されると、まずは密葬をして、仕切り直しで本葬に入るが、その前日の夜を「大夜」(言い方は他にもあるし、漢字もいろいろ違うこともあるのであしからず・・・)といって、幾つかの大夜仏事を厳修して本葬を迎えるというスケジュールになる。
ややこしいことだが、これはようするに葬儀に関係する方丈さま方のスケジュール調整期間を用意しているのだと思っていただくとわかりやすいだろう。
一般のように2〜3日のうちに住職の葬儀をしようと思うと、そのためにお手伝いも含めて約30人ほどの方丈さんが短期間で遺漏なく都合をつけることなど無理な話だから、はじめからそれぞれの方丈さんの都合を合わせやすいように49日までの適当な日を本葬のために用意しておけば、諸々随喜で自分のスケジュールを調整しやすくなると云うわけだ。
それでも結局は、直前に我が寺の葬式が入ったり、すでに当日が我が寺の仏事でふさがっていたりと、全て100%上手く調整できるわけでもないから、あとは、坊主が自分で自分のスケジュールを都合の良いように修正するしかないことになる。
私の場合も、変更や修正の難しい仏事が重なっていないわけでもなく、なかなか厳しい状況の中でこの度の当て職を受けている。

集合時間の少し前に葬儀会場になる寺院へ到着した。
その後、続々と若い方丈さんたちが参集して、会場の微調整に入った。
私は、立場上現場監督のような采配をふるうことになっているが、そういう器でもないし、たかが隣町のナンチャッテ坊主ごときはあまり出しゃばらないほうが八方丸く収まる。
時々、それとなく写真撮影をしたりして、大夜仏事のスタートを待った。
昨日まで断続的なスコールで落ち着かない毎日が続いていたが、ここにきてやっと半日ほど天気が持ちなおすようなことを云っていたし、少しくらいは坊主が運を天に任せるのも良いかなと思った。
予報はソコソコ的中して、お経の途中あたりになって雨が本降りになりはじめた。

亡くなった大方丈様が可愛がっていた犬がいない。
血統書付きの柴犬だそうだが、けっこう歳をとっていて、雨も降るし少し心配しつつ、何時もつながれているあたりを気にしたが、今日一日は犬の周辺のものも片付けられて、そこに犬がつながれていたという痕跡も消えていた。
どういう経緯で亡くなった方丈さまが犬を飼い始めたかわからないが、私がさり気なく犬の話題を持ち出すと、嬉しそうに柴犬との暮らしぶりを語られて、そういうところに、方丈さまの心根の優しさがにじみ出たりして微笑ましく思ったものだ。

方丈さまのいつもの定位置も、今はすっかり片付けられてどこかしら寒々しい。
本葬が終わってしばらくあとには、無住の空き寺になるようだ。

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