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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

慰労の夜 

2017/08/19
Sat. 23:45

お盆月恒例の諸仏祈祷法要がまた一つ終わった。
こうして少しずつ万善寺の夏が過ぎて秋がやって来る。

昔々の飯南高原は、林業と農業が主な産業で、あとは、出雲街道と銀山街道に沿って適度な距離を維持しながら市場町や宿場町が点在していた。
農業の方は、ほとんど稲作が中心で、農耕の補助に黒毛和牛を育て、米と牛からの収入で暮らしていた。
稲作には水が必要になるが、場所によっては農業用水の確保が難しいところもあって、天候を頼って自然の恵みに一喜一憂することの繰り返しが続く中で、仏頼み神頼みの信心が芽生え、有志を募って水田の脇へお堂や石仏を建立したりして豊作を願った。
その建立された諸仏を粗末にできないからと、供養と祈念を兼ねた法要が今に続いている。
おもしろいもので、土壌や水源の条件が整っている地域では、神仏にすがるまでの悲壮感も薄くて、過去からの信仰風習も途絶えたままになっているが、水源の確保が難しい地域では、世代が変わっても信仰心の絶えることがない。
万善寺は、一年の節目で行われる地域の五穀豊穣を祈念する信心仏事に招待を受ける。

10年ほど前に新築された2畳ほどのお堂でお経を読んでから近くの自治会館へ移動して、お供えのお下がりをいただいた。
憲正さんの頃は私が付き添って送迎を兼ねていたから、お酒も出て賑やかな宴会になっていたが、今は飲酒の規制が厳しいから随分静かになった。
1時間近く経ってからさり気なく退席して寺へ帰るとユキちゃんが展覧会の慰労を兼ねた手料理を持参してくれていた。
しばらくして、ヒョロリテツヤもやってきた。
ユキちゃんの手料理は、なかなか凝ったものでワイフの味付けとはまた違って新鮮で旨かった。
二人ともあまり遠慮しないで結構飲むものだから、ついつい酒が進んで会話もはずんだ。
いつもはどちらかといえば寡黙なユキちゃんが饒舌になった。
彼女の知られざる一面を垣間見た気がして親近感が深まった気がする。

春に万善寺で寄宿が始まって、今までに3点の小品彫刻を造った。
すべて島根の地元であった展覧会へ出品して、発表も精力的だ。
素材へ取り組む姿勢も前向きで、少しずつ彫刻に対する我欲も増しているふうに感じる。
吉田にはたいしたこと出来るわけでもないが、少しでも頼ってくれるうちはなんとか付き合っていこうと思っている。

境内に日参していたスズメが絶えた。他の何処かで条件の良い餌場が見つかったのかもしれない。参道脇をつがいの白鷺が低空で飛び去った。
雨の降り癖が収まって残暑が厳しくなりそうだ。刈り倒した草が少しずつ乾燥してきた。
お盆前に注文していた彫刻用の鉄板がそろそろ届く頃だ。

IMG_2152.jpg

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