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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

烏枢沙摩明王さま 

2017/08/25
Fri. 23:17

だいたい万善寺の夜は「寝苦しくてしょうがない・・」ということがないわけではないが珍しい。
夏は熱くて眠れないという日が、せいぜい5日あるかどうかだ。その珍しく眠れない1夜が明けた。
夜の間に締め切った庫裏へ溜まった湿気が、ベタリと肌に張り付いて不快だ。
朝方になって雨が落ちはじめて、夜が明ける頃には本格的に降りはじめた。
久しぶりのまとまった雨になりそうな降り方になったから、これで草がいっきに伸びるだろうと思うとうんざりする。
庫裏に充満した不快な湿気はひと晩のうちにあらゆるモノへ沁み込んだのだろう。いつもなら次の朝には乾いている洗濯物がまだ湿気っている。

2〜3日まえに、お檀家さんからトイレの改修をするのでお経をあげてくれと依頼があった。
トイレには烏枢沙摩明王さまが安座していられる・・・と、万善寺では前住職から口伝で引き継いでいた。
毎年正月の三が日は、万善寺の隅から隅までその場所場所に安座される守護神様を巡ってお経を読むことにしている。
ひところ大流行したトイレの神様の歌と似たようなものだと思うが、仏教でお祀りしてある烏枢沙摩明王さまは、お釈迦様の布教を妨害する連中を懲らしめるシークレットサービスのようなカッコイイ存在で、人間から吐き出される邪気を飲み込んで浄化してくれる、とてもありがたい仏様なのだ。
お釈迦様のありがたいお言葉は、邪気の去った晴れ晴れと清らかで澄みきった人々の心に沁み込んで、信心が芽生え仏心が根付くことになるのだ。

雨の中を雪駄履きで出かけることになるから、さすがに足袋を履くことが出来ない。素足のままでお経を読ませてもらうことをことわって撥遣のおつとめをした。
お経回向が終わってから、改修前のトイレの隅々まで洒水し塩をまいて、撥遣の偈文を唱えた。
まぁ、このたびの烏枢沙摩明王さまに限らず、お仏壇やお墓納めなど、撥遣に該当する仏事はだいたいそのような作法で引き継いでいる。
それにしても、トイレの改修でお経をお願いされることは、今時めずらしいといえば稀少なことといっていいだろう。
その施主さんは、元々日蓮宗の信者さんだった。
私が若い頃にはまだ飯南高原の隣町に日蓮宗の寺院があったのだが、ご住職の他界後に廃寺となった。その施主さんは、それ以降しばらくのあいだ1時間以上も離れた同宗のお寺へ仏事をお願いされていたようだが、色々な不具合も生じたようで、禅宗の万善寺へ宗派替えされた。代々の信心深いことは改宗後の今も変わりなく引き継がれている。

あれだけ夜が蒸し暑かったのに、雨のおかげか着物でも汗が出ない。
これから一雨ごとに涼しくなっていくのだろう。寺へ帰ると何処かで鈴虫が鳴いていた。

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