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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

雪原の彫刻 

2018/01/15
Mon. 18:49

今度の寒波は日本海側を中心に記録的な大雪になったりして、いたるところへ大きな被害を与えたようだ。
そういう状況にあって、不謹慎なことかもしれないが、私個人としては、冬や雪が日本の四季の中で比較的好きな・・というより、一番好きな季節なのかもしれない・・と、思っていたりする。

毎年のように悩まされている参道の道開けは、かなりの重労働でいつも大変な思いをしているが、むしろ気持ちの何処かでは傷一つ無い新雪をかき分けてひたすら1本道をつくり続ける単調な繰り返しがキライではないし、道開けの1時間から2時間の間に保賀の谷でおこるさまざまな現象が、自然のつくりだすたくらみのない純粋な造形に思えて、それに包み込まれている自分の非力が眼前の事実として証明されてしまっていることをスッキリといさぎよく受け入れることができて、それが気持ちよかったりする。
観なくても良い、観たくもない、そういう自分の周囲の日頃の色々な気になる環境すべてが降り続ける新雪に少しずつ隠されて微妙な立体の曲線の稜線で一つにつながって行く様子を観ていると、自分がアレコレ悩みながら造り続けている彫刻の虚弱さがバレてがっかりしつつ、一方で、そういうたくらみのない造形の美しさに憧れるし、それが制作のテーマや目標になったりすることもある。

私の父親であり師匠でもあった憲正さんは、私の造形活動に理解があって、それで万善寺の運営に少々支障があっても、なんとなく見て見ぬふりでいてくれていた。それだけでも私にとっては大きな後ろ盾に思えて随分助けられてきた。
内室で母親の俊江さんの方は、私の造形が生活の糧につながらないことをことごとく嫌って、自分の周囲の目に見えるところにある私のものは片端から人の目に触れないように隠して、そういう話題に触れることを生涯拒み続けたひとだった。

昨年のお彼岸明けに母親が永眠してから、少しずつ万善寺の環境へ私やワイフや、その他にも関係の深いいろいろな造形を持ち込んでいる。
もう少し早くから・・・というより、島根へUターンした時からすぐに万善寺の環境をそういう風に作り変えたかったことだったのだが、今になってやっとそれが実現しはじめたわけだ。自分の造形はこの30年で随分と遅れを取ってしまったように思うが、それはそれとして過ぎたことはもとに戻すことにもならないから、今がスタートということで前を見て乗り切るしかない。
母親が大好きだった畑をそのまま耕作放棄して荒れ地にした後、昨年の暮になってユキちゃんに手伝ってもらって、やっと私の鉄の彫刻を置くことができた。
彫刻にとっては、はじめての冬シーズンを万善寺の近所で過ごすことになったわけだ。
今まで、石見銀山を中心に、飯南高原のアチコチで積雪と彫刻の関係を確認してきてはいても、こうして日常の暮らしのさまざまな場面で、その時々の変化をつぶさに確認できて記録できる環境が出来たということは、彫刻家としての自分にとって制作の方向性を模索するとても重要な条件がひとつ加わったことになる。そして、制作の楽しみがひとつ増えた。これからあと、どれだけ彫刻に置き換えることが出来るかわからないけどね・・・

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この記事に対するコメント

さすが豪雪地帯。彫刻に雪の子供が二人サバっとんなる(笑)背中がかわいいですね。これは見るのが楽しみになりますね!

オーイくぼぐっちゃん #- | URL | 2018/01/18 09:52 * edit *

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