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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

氷点下の万善寺 

2018/01/29
Mon. 23:35

アドリブ満載ボーサントリオのセッションが終わって万善寺の玄関先まで帰ると、庫裏の方から何か男の声がボソボソと聞こえていて、すぐ静かになった。
「たしか出かける時に施錠したはずだけど?」少々慌てていたから「カギ閉め忘れたかも?」と不安になって玄関引き戸に手をかけてみるとやはりシッカリ施錠されていた。
それから気になって、法衣の荷物を抱えたまま勝手口の方へ回ってみたが異常なし。
どう思い直しても気のせいではないくらいちゃんと男の声が聞こえていたので、チキンオヤジはドキドキしながら庫裏玄関へ入った。
土間には自分の履物が朝出たときと同じ状態で動かないまま納まっているから、見た目に変わったところはない。庫裏を一巡し本堂を回っても異常なし!・・でホッとした。

お昼過ぎとはいえ、気温は零下のままで、もう1週間位そういう状態が続いている。だから留守にするときは水道蛇口が集まっている台所からトイレ洗面所やお風呂までの水回りは、、蛇口を少し捻って糸状に水を流しっぱなしにして、エアコンや電気ストーブをつけっぱなしにしておく。
万善寺の一ヶ月の光熱水費がどれだけになっているか恐ろしくなるが、背に腹はかえらえない。

高齢になった前住職夫婦が万善寺で暮らしていた時は、他にも数カ所に水道管が回っていて、毎年冬になるとその水道パイプの何処かが凍って、春になって雪が溶けて業者さんに修理してもらうまで漏水が続いていたりした。
先に憲正さんが死んで、残ったおかみさんも身体が動かなくなって2年目の冬にも、同じように漏水がはじまって、この時はその水で庭の雪が解けて境内が見えるまで被害が広がったから、さすがにそのままには出来なくて業者さんに無理をしてもらって冬の間に配管の途中からパイプを切って止水栓を接着してもらった。
来客用の洗面所は永久に使用できなくなったが、今時寺で宿泊も無いし毎年アチコチで漏水することを思うと寺暮らしのインフラを極力シンプルにしておいたほうが都合がいい。
そんな冬のドサクサが毎年のように続くものだから、私が一人暮らしになってからは、少々生活費が厳しくなっても、節約や我慢をしないで、寒いなりに出来るだけ快適に過ごせるくらいの贅沢は仕方がないと気持ちを切り替えたところだ。エアコンを新設したり、ガスストーブをレンタルしたり、バラバラに使い分けていた給湯器を一つに絞って管理の効率を見直した。少々使い勝手が悪くなっても、使用の90%は自己責任で用がすむし、残りは1年に何回かワイフが我慢してくれればなんとかなるはずだ。

約10畳ほどの台所の中ほどに展覧会で使っていた平面の展示パネルを張り巡らせてザックリと二部屋に仕切った。今は、自分の生活を出来るだけその一部屋でまかなえるように工夫しながら寺暮らしをしている。昔から狭い一部屋で暮らすことになれているから特に不便は感じない。着物を脱いで洋服に着替えてお湯を沸かして部屋が少し温まってコーヒーをいれ始めていたら、防災放送がはじまった。役場の建設課から漏水による断水の告知放送だった。あの男の声は防災放送だった。田舎の過疎地は人間が暮らしていても管理がままならないのに、空き家もやたらに多いから漏水が増えても仕方がないことだ。

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