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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

彫刻制作開始 

2018/03/07
Wed. 23:44

島根県は週末から天気が崩れるらしいが、今のとこと春が来たような暖かい日が続いている。
大雨と雪解けで水浸しだった寺の境内も、もと通りになってやっと結界君が動きやすくなった。
冬シーズン中の不具合が解消されていないところも残っているが、とにかく、少し落ち着いて通勤坊主が楽になった。

大雪と凍結の御陰で予定していた彫刻制作が出来ないでスケジュールがかなり乱れて遅れた。
朝起きると石見銀山はとても良い天気で制作日和だから、通勤坊主のスイッチを彫刻家へ切り替えた。
思えば、工場のカギを開けるのも今年になってはじめての気がする。
外は陽が当たってポカポカと暖かくて錆の加減を見ながら平置きしている鉄板がとてもいい感じに温もっていた。
3ヶ月ほど寝かしているからもう少し錆の定着がすすんでいるはずなのだが、まだ粉っぽくて軽い感じだ。自然が相手でほとんどあなた任せにほったらかしの状態が続いていたから、これからは様子を見ながらもう少し錆が丈夫になるように工夫する必要を感じた。
近年は、錆鉄板のストックを使い切ってしまって、大きな彫刻を造る時は、納品されてすぐの黒皮板をそのまま切り刻むしかなかった。財力が充実しているわけでもないので、無駄にストックを増やすわけにもいかないが、まったくないのも困りものだし、財布と相談しながらチビチビと小分けして買い込んでは錆の仕込みをしているところだ。

今度の展覧会は、銀座の画廊でグループ展になる。
小品の彫刻を展示することになるので、工場の壁に立てかけてある錆付きの鉄板から手頃なものを2枚ほど引き出した。1枚は比較的錆が進んで少し味が出たもの。もう1枚はまだ黒皮が残った無機質な工業製品のままのもの。主にこの2種類の鉄板を使い分けながら彫刻を造ることにした。
午前中はおおよそのスケールを決めて鉄板に直接ドローイングしながらパーツを裁断した。久しぶりに鉄が溶ける匂いと茶褐色の溶断煙が狭い工場へ充満して、彫刻家の勘が戻ってきた。
30歳までチェーンスモーカーだったが、ワイフのお腹にじゅん君が出来たことがわかってから止めた。自分の体にタバコが悪いという意識はあまりしなかったが、生まれてくる子供には良くないだろうと感じて、それで止めた。そのくらいの動機だから、こうして工場でタバコ以上の有害なガスにつつまれることにそれほど健康の危機感を持っているわけでもなく喜々として彫刻を造っている。これからも、身体が動くうちは少々無理をしてでも彫刻を造り続けようと思っているが、その前に脳みそが思うように機能しなくなることもあるし、先のことはわからない・・・と、鉄板を溶断して刻みながらそんなことを考えていた。
それから午後になってパーツの準備が一段落したところで、工場から結界くんで5分の日本海のいつもの海岸へ回った。
この数ヶ月、ひたすら雪と山ばかり見て過ごしていた。

IMG_2789.jpg

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