FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

万善寺春仕様 

2018/03/16
Fri. 23:46

「やっと家に着いた!!色々ありがとね!」
夜の11時過ぎになっちゃんからLINEが入った。
本社出張を終わって、出雲空港から最終便で東京へ帰っていった。

いつもと変わりなく通勤坊主の支度をしていると、なっちゃんが「出雲空港まで送って・・」ということになって、「じゃぁ、5時出発で・・」と時間を決めた。
彼岸前だからお寺の用事も際限なくあって落ち着かない時期だが、まぁ、基本的にフリーな状態で特にまわりへ迷惑をかけることもなく毎日を過ごしているから、時間調整も自分の工夫でなんとかしてしまう。それに、昨日から冬が戻ってきたように気温が下がって寒くなって、小雨というか霧雨というか、なんとも曖昧な雨降りが続いて外の仕事も出来ないので、本堂から庫裏にかけて来客やお参り用のレイアウトを整えることにした。

母親が生きている間は、庫裏のど真ん中の部屋を占領していて、秋から冬から春にかけて、ほぼ半年は建具を締め切ったままテレビを相手にこもりっきりの暮らしが続いた。
寺の用事で帰った時も、その部屋を迂回して用事を済まさなければいけないし、けっこう不自由した。庫裏の玄関を入ると、淀んでいた家中の空気がかき混ぜられて老人特有の加齢臭が鼻を突く。自分では気付かないのだろうが、時々訪ねてくる業者さんとか訪問客にずいぶんつらい思いをさせてしまっていたと思う。
母親が死んだ今は、私がオヤジの一人暮らしで秋から最近まで冬こもりの暮らしをしていたから、オヤジの加齢臭が寺の至る所へ染み込んでいることだろう。
お彼岸の寺参り前に冬の空気を入れ替えておこうと思っているが、どうも天気も悪くて雨も降って寒いし、ひとまず、勝手口から板の間だけでもなんとかしようと外の空気を入れた。
万善寺唯一の小さな灯油ストーブへ給油しながら土間の掃除をしていたら、箒の先で給油ポンプを引っ掛けてしまって、土間から板の間へかけて大量の灯油をふりまいてしまった。なんという大失敗!・・・あわててポンプの電池スイッチを切って、古新聞を探し出そうとしたのだが、そういえば、もう何年も前から新聞を購読していないことを思い出して、またあわてた。その間にこぼれた灯油がどんどん低い方へ流れながら土間や板の間へ染み込んでいく。別棟へ憲正さんの着ていた古い襦袢や股引などを処分するのにまとめていたのを思い出して、それらを詰め込んでいたビニール袋を破った。
家の中の淀んだ空気を入れ替えようとしたのに、灯油の匂いが充満することになってしまった。なっちゃんを空港まで送らないといけないし、万善寺の窓や障子を開けたまま出かけるわけにもいかないし、散々な1日になってしまった。

「小学校の卒業式良かったわよ!○○ちゃんなんか、歌唄いながらシクシク泣いてるし、もらい泣きしちゃったわよぉ〜・・そうそう、△△ちゃん、袴だったの!着物ピンクで、髪飾りも色合わせて、可愛かったわよおぉ〜」
午前中は民生委員をしているワイフが大森小学校の卒業式に来賓で出席していた。
ちょうどその頃、万善寺のオヤジはふりまいてしまった灯油と格闘していたことになる。
なんとなく寺の顛末を話しづらくなって、そのままボクの心に仕舞っておくことにした。

IMG_2827.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/2907-d6edd1f9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2019-11