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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

豊川さんの灯籠 

2018/03/18
Sun. 23:48

容赦なく確実にお彼岸が近づいてくる・・・

冬の間、あれほど大量の寒波が押し寄せてきたのに、例年になく春が早くて万善寺の境内は雪解けが早い。
前庭は前回の雨で完全に雪が消えた。
それからしばらくして本堂東側の豊川稲荷さん周辺の雪が消えた。
倒れた灯籠を移動する準備をして、あとは晴れるのを待っていたのだが、小刻みに天気が変わって庭がなかなか乾かないでいた。そのうちお彼岸が近づいて、また雨になりそうなので、無理をして灯籠を動かすことにした。
業者さんへ頼むと楽だがその分経費がかかるので、自分で動かした。
こういう時に彫刻制作の工夫がとても役に立つ。
さいわい、台座と大柱は接着が取れないでいてくれたから、豊川さん前から本堂の前まで数メートルを歩かせようと決めていた。それには、地面の真砂土が乾いて固くなったほうが楽だから、それを待っていたのだが、とにかく晴れたと思ったら次の日は雨が降ったりしてしまって、なかなか思うようにいかない。それで、本堂の床下を物色して廃棄した杉の床板を引き出して、その上を歩かせることにした。
たった数メールの距離でも、一人の作業はなかなかハードだった。
残りの、接着が取れてバラバラになったパーツはネコ(一輪荷車)に乗せた。
土留めを兼ねた花壇用にとっておいた古タイヤが役に立った。

灯籠は保賀の同じ自治会に住むお檀家さんが平成になってから個人で寄進されたものだ。
飯南高原に点在する寺院の中で、豊川稲荷をお祀りしてあるのは万善寺だけだと思う。
そういうこともあって、昔から保賀の自治会は仏教の宗派関係なく豊川稲荷さんへの信仰心が深かった。今では、地域のお年寄りもご高齢になったり亡くなられたりしてお参りも無くて寂しくなったが、昔は、毎日朝夕の日課でお地蔵さんと豊川さんへお参りされる姿をよく見かけた。季節の野菜をもらったり、おかえしでお供えをおすそ分けしたりして、大人たちの交流が頻繁だった。寺の隣は空き家になって2冬が過ぎたし、保賀川の脇にある家は空き家になって5年近くなる。その2軒が一番万善寺と親しくて、暇な時は半日も縁側で会話が弾んだり、男同士は囲碁がはじまったりしたこともたくさんあった。
灯籠を動かしながら、ボンヤリと昔のことを思い出していた。

昼過ぎからお彼岸の案内を約50軒分配って回った。
飯南高原の端から端まで手際よく結界君を駆使してお檀家さん一軒ずつポストへ投げ込んで2時間ほどかかる。
毎年、お参りは15名くらいだから、私がこういう住職の仕事をしていると、「お参りも無いのに、そんな無駄なことせんでもえぇがぁ〜〜」と、死んだ母親がいつも同じことを云っていた。
「毎度毎度万善寺仏事のお知らせを、住職自ら持って回っているから毎年15人もお参りが絶えないで続いているのだ!」と、自分ではそう思っている。
明日はまた雨になって冷え込みそうだ・・・万善寺の春はまだもう少し先だね。

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