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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

モーニングコーヒー 

2018/05/23
Wed. 23:01

七日つとめで朝が早いから、前日の用事のついでに一週間ぶりで寺へ泊まった。
ケトルに注いだ井戸水をコンロにかけてからいつもの万善寺の朝の用事を一巡した。

最近は台湾製のお手軽手動コーヒーメーカーを使うことが増えた。
一度沸騰させてから火を落として、ケトルが少し冷める間にミルを使う。すでに引いてある豆は粗引きとあってもかなり細かいから、やはりミルを使うほうが自分の好みに調整できて都合がいい。
お湯が適度に冷めてからコーヒーに注ぐ。それから、だいたい五分ほど蒸らす。
「吉田くんはコーヒーにうるさいからぁ〜」
近所の同級生のオヤジがそう云っているが、自分では全くそんなこともなくて実にいい加減でその日の気分に任せているだけのことだと思っている。
だいたいどちらかといえば、コーヒーをいれるだけのことで、毎日毎朝毎回、アーダコーダと面倒臭いことばかりにこだわって「ナニが楽しいのだ?」と思ってしまう方だ。

そもそも、コーヒーが美味いとか不味いとか、そういうことは自分のその時の気分や体調で変わってくるものだし、べつに珈琲屋さんを経営しているわけでもない。苦いと思えばお湯を足して薄めれば良いだけのこと程度だ。それでも、少しは気にしていることもあって、最初から薄いコーヒーをつくることはしないようにしている。薄いコーヒーだけはどうも美味いと思えない。アメリカンコーヒーというのがあって、昔は喫茶店とか珈琲屋さんへ行くとよくそれを注文していた。誤解のないように云っておくが、吉田的にはアメリカンコーヒーがイコール薄いコーヒーであるとは思っていない。アメリカンはあくまでもアメリカンで、普通にコーヒー豆をケチってコーヒー味のついたお湯を飲んでいるようなものでは無いのだ。

若い頃に何年も水商売で食いつないでいたことがあって、その時の色々な体験が今の一人暮らしの役に立っている。
人間、結局生きるためにははなんとかして飲食を繋いでいくしか無いことだ。
宗門の道元さんに至っては、「典座教訓」なるありがたいお言葉も残されている。
一人でいると、それこそ何から何まで自分一人でコトを済まさなければいけなくてそれなりに面倒なことだが、一方で、誰を気にすることもなく自分の思うように自分の好きなように暮らしのシステムを積み重ねていけば、それはそれで気楽にいられて、心穏であったりする。その甘美に浸りきってしまうと、あとで取り返しのつかない自堕落な人生で終わることも十分に考えられるが、それを自覚して堕落を踏みとどまりつつ毎日のマイペースに責任を持ち続けていられれば、シンプル克つ豊かな暮らしができると思うのだ。

お湯を沸かして朝の一杯のコーヒーを抽出するだけのことだが、その行為にその日一日の自分の気持ちの平静を託すことが出来ないわけでもない。
コーヒーが美味いとか不味いとかはどうでもいいことで、だいじなことは、「コーヒーをいれる・・・」という所作の一つ一つがその時の自分の精神や体調を写していることで、その結果に美味いとか不味いとか、そういうことがついているということである。

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