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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

始動!奥出雲小品彫刻展 

2018/05/27
Sun. 23:10

奥出雲町から万善寺のある飯南町辺り一帯の中国山地は、昔、たたら製鉄を中心にした工業地帯であった。
中国山地は風化が進んだ山で、その関係もあって日本海へ注ぐいくつかの大きな川とその支流から渓流に至るまで、豊富な地下水の湧き水で洗われた良質の砂鉄が採れる。
砂鉄の集まる場所に鉄の精錬所が出来、その精錬所を中心にたたら製鉄で欠かせない木炭を作る炭窯が出来る。
そして、その炭の材料になる木材の植林が進み、中国山地全体がたたら製鉄の原材料を提供する工業地帯となって、製鉄の技術者や関連産業の工人職人が集まる。
吉田家が暮らす石見銀山の町も、銀の鉱山を中心に銀精錬や周辺産業が発達して工業地帯になった。
奥出雲町も石見銀山もそういう工業地帯で働く人々の食をまかなうために、周辺一帯では稲作を中心とした農業が発展した。
万善寺のある飯南町も、往時は小規模なたたら製鉄やその関連施設が点在していたし、植林による林業や稲作の農業が盛んだった。

小品彫刻展が動き始めた。
奥出雲町が日本遺産の指定を受けた年に、小品彫刻展をそれまでの浜田市から移動して開催した。船通山や吾妻山の裾野に開ける広々とした棚田では、全国的な有名ブランド「仁多米」が作られ、ちょうど今頃が田植えの最盛期になっている。現在、日本で唯一現役で稼働中のたたら製鉄所が奥出雲町にあって、1年1回の製鉄シーズンになると関係者や見学者が各地から訪れる。奥出雲町の精錬所では玉鋼が作られていて、これは日本・・イヤ、世界の玉鋼となって、各地の刀剣刀匠へ出荷される。木炭製造のために植林が進んだ関係で、銘木を原材料とした木工も地場産業として定着していて、雲州そろばんの製造産地としても有名だ。

そういう、地域の特性もあって、こぢんまりした行政区であるが歴史と伝統に裏付けされた文化レベルは島根県下でも高い方だ。
絵画と違って彫刻は、地域産出の素材と向き合う機会や、地域の特性と協働できる機会も豊富と判断して、小品彫刻展の奥出雲町開催に踏み切った。
まだスタートから2・3年のことだから彫刻が地域活性の触媒となるまでにはいかないが、まずは、この彫刻展を通して彫刻家の造形や素材交流の場になれば良いと思っている。

彫刻展開催当初から奥出雲町で積極的に協力を頂いている尾方さんと打ち合わせに出かけた。話はトントンと進みそこでの草案をもとに、これから開催要項を作成して教育委員会を始めとした関係各所へ協力依頼をしつつ、彫刻作家へ出品依頼を兼ねたお知らせ案内を発送することになる。
奥出雲町はそば処でもあるから、打ち合わせのあと昼飯はそばに決めていた。例のごとく仕事が休みだったワイフをそばをネタに誘った。ワイフは尾方さんと打ち合わせの裏番組で奥出雲の地物を仕入れていた。そのいくつかは夕食の懐石盛りになるはずだ。

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