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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

意は無事に随す 

2018/06/02
Sat. 23:01

このところ、通勤坊主が定着してその上に万善寺泊も微妙に増えている気がする。
5月はそういう日ばかりで、工場へ出かけたのも7日間あったかどうかという状態だ。
なにごとも、バランスというものがだいじで、あまり片方へ偏ってしまうと、それがそのままストレスのもとになって、眼前の事実に向き合うしか無いのに、気がつけば気持ちも身体も正直に拒否反応を示していたりしてどうも都合が悪い。

珍しく19時から通夜が始まった。
万善寺の場合は、家族葬でもない限り普通19時半スタートが多いので、準備をして寺を出発するまでが慌ただしくなって少々焦った。
ちょうど衣替えの時に重なって、夏バージョンの一式を準備したところまでは良かったのだが、白衣を着て帯を締めて足袋を履いて・・・改良衣の袖を通した時、右襟の紐の縫い目がほころびていることに気付いた。半年前に確認した時、見落としてしまったらしい。今更針仕事の時間も無いし、とにかくなんとか工夫して通夜の時間へ間に合わせた。

いつ梅雨に入ってもおかしくない時期になったが、お昼前からどんどん気温が上昇して午後になると日差しが突き刺さるくらい強くなった。まだ明るい夕方の葬儀会場は外の路地にまで通夜の参列の人並みが溢れていた。米寿を迎えるほどのおばあさんでこれだけ大人数の参列はめずらしいことだ。御本人の生前のお付き合いや、ご親族の地域での暮らしぶりが忍ばれる。
ちぎれかけている紐をさりげなくかばいながら、通夜の鐘つき坊主を務めて万善寺の庫裏へ帰った時はまだ8時を回っていなかった。それから、まずはシャワーで汗を流して、一度ザッと身体を拭いてから改めて頭にバリカンを当てて髭をそった。
ノンビリと夕食の支度をするのも面倒だから、冷凍庫で眠っていたコストコのバターロールを3つほどオーブントースターへ入れた。焼ける間に改良衣の修繕で針仕事の準備をした。朝のコーヒーの残りでパンを流し込んで、ウエブ配信でJAZZをチューニングして少し落ち着いてから、針を使った。こういう時にはハズキルーペが欠かせなくなった。
iPadがSNSの着信を教えてくれたので確認すると、キーポンがLINEで写真を送っていた。100均のマグネットシートを使って1才児用の知育おもちゃを手作りしていた。同じものを2セットつくったらしい。教材費が支給されるのかどうかわからないが、なかなか前向きによく気が回る良い保育士さんになっているようで感心した。
オヤジは寺でチクチクと針仕事・・・
キーポンは東京の社宅でセッセと教材つくり・・・
面倒臭い針仕事も、どうせ避けて通れないなら、キーポンのように前向きに仕事を楽しめるようにならないといけないな・・・反省!

そういえば、引導の情報収集によるとおばあさんは和裁が得意で、近所の奥様方に教えていたこともあったらしい。交友の広さが通夜の参列に反映していたのかもしれない。
引導には・・「意は無事に随して適い、風は自然を逐うて清し」・・白楽天の一節を使わせてもらうことにしよう〜何事も無作為をこころがければ、自然に吹く風のように清々しい気持ちでいられる〜・・欲に染まった彫刻家坊主への戒めでもあります・・・

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