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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

久しぶりの鐘つき坊主 

2018/06/03
Sun. 23:45

なんとなく寝苦しくて、何度も目が覚めた。
そうなると、いつもは全く気にならない寺の夜の音が耳に付き始めて余計眠れなくなる。
冷蔵庫の電気音とか、風に揺れる竹の葉音とか、立て付けの悪い雨戸兼用の古いガラス窓の音とか、それに、ネズミが何処かをカリカリかじる音とか、遂には自分の耳鳴りまで気になり始めて、いよいよ眠れなくなってきた。
ネズミは、5月に入ってから庫裡のアチコチに出没し始めた。だいたい、1年のうち2回位こうして活発に動き回ることがある。春のこの時期は、保賀の谷の田んぼに農業用水が引かれて一気に水田になる。豊富な春の旬のモノに引かれて山野田畑で過ごしていたネズミたちが、田んぼの水攻めにあって万善寺へ避難してきたのだろう。

とにかく、静かな田舎の山里ではあっても、夜は夜でそれなりにけっこう賑やかだったりするわけだ。こういう時は、迷わずウエブ配信のラヂヲを垂れ流すことにしている。周囲の夜のノイズに悩まされるよりは、好きな音楽でも聴きながらウツラウツラしていたほうがまだマシだ。

6畳のシアタールームから微かに流れるピアノのクラシックに混ざって朝の鳥の声が聞こえてき始めた。もうこうなると眠気も去って完全に目が覚めた。葬儀は10時始まりだから起きるにはまだ早すぎるが仕方がない。井戸水をケトルに入れてガス台へ乗せた。それから、コーヒー豆をミルに移してガリガリやって、お湯が湧く間に寺の朝の用事を済ませて1日分のコーヒーを淹れた。昨日くらいから一気に暑くなったが、寺の朝は冷え込んでかなり寒い。温かいコーヒーで人心地ついた。

葬儀の鐘つき坊主は久しぶりのことで冷や汗をかいたが、なんとか一通りの役を終わって斎膳をいただいてお昼すぎに全て終了した。
今年に入って永代供養の申し入れが続いている。懇意の石材店と相談しながらいろいろ試行錯誤を繰り返して、本堂の正面階段の端へ石の戒名碑を置いた。万善寺の墓地にはすでに永代供養墓が建立されてあるが、お年寄りには参道の登り降りが負担だし、本堂の正面でお参りできればまだ少しは楽だろうと考えた。それに、境内にある方が住職のメンテナンスが楽になって都合がいい。
葬儀に使った仏具や教本を片付けて、戒名碑の青葉を更新して水を足したりしてから、本堂の冬物を片付けて模様替えをし始めたら電話が鳴った。
「モシモシィ〜・・、今日のお帰りは何時くらいになりますかぁ〜・・」
珍しくワイフの方から電話してきたから、大事な予定を忘れてしまったのかもしれないと一瞬焦って「どおして?何か用事でもあったっけ??」と聞いたら特に無いと云いつつ、言葉の端々になにか訴えるような様子も伺えて問いただしたら、入金の督促があったことを忘れていて、期限が今日だということで、それで「お葬式もう終わったぁ〜・・?」と、お布施を当てにしたお金の無心だった。
世間は日曜日で、金融機関の都合も難しくてどうしようと悩んでいたら、万善寺住職のボクがお葬式に出かけていることを思い出したというわけだ。
冷や汗をかきながら、ありがたく頂いたお布施が、たった数時間で生活費に消えた。

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