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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

箪笥 

2018/06/12
Tue. 23:36

大般若会には手間替え随喜の方丈さんが5人集まるはずだが、昨年までと日程の変更をしたから、さて・・覚えてもらっていて集まってもらえるかどうか・・・微妙なところだ。
これは、檀家さんにも言えることで、万善寺の法要と云うと、盆正月のお参りで20人集まれば良いほうだから、これも日程移動の影響で半減する確率が高そうに思う。
雨の中、案内の印刷物を配って歩いたが、「今はちょうど忙しい時期だけぇ〜ねぇ〜〜」と先手を打たれるところもあった。近年の神仏信仰離れは目に見えて加速しているから、それも時代の流れということで、私一人が「信心、しんじん、シンジン・・」とドタバタ大騒ぎしてもしょうのないことだ。日頃のお檀家さん仏事教育を怠けていたツケが回ってきて、それが今頃になってボディーブローのごとく効き始めている。
ひところは、代替わりにもなったことだし、気持ちを引き締めて「仏法興隆に励もう!」と意気込んだこともあったが、とっくにその熱も冷めた。
残りわずかの人生、今以上に心身が充実して盛り上がることもまず無いし、体力の低下と上手に付き合いながら、万善寺の作務の日常を繰り返すだけのことだ・・・というわけで、年代物のガタピシ箪笥をやっとメンテナンスすることが出来た。
この箪笥は、私が物心ついた頃から先代夫婦が日常の小物入れに使っていた。
最上段の引き戸には薬や電池電球などの日常の消耗品が入っていた。
その下の三列の引き出しには左から文房具類、封筒便箋類、そして一番右にはドライバーとか肥後守とか千枚通しとか爪切りなどの工具刃物類が入っていた。
その下の2列に並んだ引き出しの左側は憲正さんの日記帳や印鑑小銭入れなどで、右側は俊江さんの日記帳や健康手帳などが入っていた。
その下には5段の長引き出しが縦に並んで、それぞれに障子紙などの日常のものや仏事絡みの半紙などの消耗品、繕い物に使う端切れとか、タオル・てぬぐい・布巾が集めてあったりと、その箪笥は半世紀以上全く同じ状態で使い続けられた。
3年の間に相次いで永眠した前住職夫婦の日常が今まで手付かずのまましまい込まれてあった。
箪笥を使うかどうかは後で決めることにして、とにかく、ひとまず中の物を全て出して廃棄するものと残すものを選別しなければいけなかったのだが、それが今まで延び延びになっていた。外は雨だし、大般若会の法要では庫裏の二部屋を方丈さんの控えの間で使うことになるし、どうせそういうこともあってキッチリと掃除する必要もあったから、こういう機会でもないとまたズルズルダラダラ何年も箪笥の片付けを引き伸ばしてしまうだろうし、思い切って整理することに決めた。ことを始めれば、せいぜい2〜3時間もあれば片付くことなのだが、それが今まで出来ていなかったわけだ。
引き出しからは思いもしない色々なものが出てきた。二人ともとにかくやたらと物持ちが良かった。憲正さんの日記帳は、独特のクセ字でビッシリ書き込まれてあったが、平成の時代から少しずつページの余白が目立つようになってきて、入退院を繰り返すようになった後は連日の書き込みも途絶えることが増えていた。俊江さんは、死ぬ週までビッシリと細かい字で1日の出来事が記入されていた。几帳面な性格で健康オタクでもあったから日記帳の他に健康手帳の血圧データも血圧の計測器が壊れるまで毎日欠かさず記帳されてあった。あらためて時間をつくって二人の日記を読むまでのこともないとは思ったが、なんとなく処分を躊躇した。箪笥の方は私の代までは使い続けることになるだろう。

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