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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

縁日 

2018/06/24
Sun. 23:15

毎年弘法大師さまのご縁日前後に御大師講があって、地域の集会所におじゃまして、安座されたお大師さま尊前の守護祭事とお参り各家先祖供養の塔婆回向を厳修する。

そもそも、お大師さまは真言宗の開祖様なので曹洞宗の万善寺が宗派を超えて大事な法要を厳修して良いものなのかどうか・・・現住職としては判断に苦しむところではある。
そういう、一抹の疑念を感じながらも、代々地域に根づいた民衆の宗教行事もそれはそれで大事なことだし、仏教の場合は此岸の高僧が入滅後の彼岸の国ではすべて立派な仏様となられてこの世に暮らす我々俗人の救済活動に日夜専念されていると言われていることでもあるから、ボクのようなナンチャッテ坊主でも「少しはお大師さま代行の役に立っているのかもしれない・・?」と思うようにして、前住職から引き継いだことを心をこめておつとめさせていただいている次第。
それで、だいたい春の田植えが落ち着いて、梅雨に入って田の水の心配も落ち着いた今頃から、お盆を挟んで秋分の日に至る時期で適当な日を決めて法要の依頼が入ってくる。
お大師さまは毎月21日がご縁日となる。縁日の定義は主役の神仏によって色々だが、お大師さまの場合は入滅の日が縁日になったようで、それが現在まで引き継がれている。
私が御大師講へ前住職のお供でお参りするようになってからそろそろ20年位なるかもしれない。前住職の身体が動くうちは送迎要因でお付き合いし、そのついでに鳴り物の担当などをしていた。その後、仏事の全てを任されるようになって塔婆回向の和讃も私がするようになった。

縁日の場合、最近の年回法事と違って施主家の都合で日程調整されることは、基本的にあまりよろしくない。その日その当日の法要厳修がご利益につながる訳だから当然のことだ。だから、縁日の法要は昼の仕事が一段落した夕方から深夜にかけて厳修される。昔々は神仏がそれぞれの役割を果たしてバランスよく共存していたから、毎月の縁日になるとお参りのあとさきに夜店が出て娯楽の役を果たしていた。今でも日本の各地でその名残が続けられていて、規模は極小であるものの、万善寺の場合も縁日法要は全て夕方日が暮れて夜になってから始まる。周辺の寺院がその時々の事情で縁日法要を取りやめたり割愛したりするようになってからあとも、万善寺の前住職はそれをしなかったし、むしろ頑固に守り続けようとしていた。理由を詳しく聞き取ったわけではないが、基本的には仏宝興隆の重大さを祈念してのことだったと思う。
こうして、今現在縁日法要を引き継いでみると、その重大さが少しはわかるようになってきた気がする。
神仏の役割は現代文明や科学経済社会では証明の実態がない嘘言で済まされているようなところもあるが、そうはいっても、ひとの存在全てを客観的に必然的に証明できる社会構造が確立されているわけでもない。ひとの考えはひとそれぞれで、世間の常識が全ての人類に機能しているわけではない。今の世の中、殆どの人類はファジーなカオスに支配された迷宮で蠢いているばかりだ。そうであれば、能動的に何かを信じて何かにすがることで自分を楽にして浄化する具体的な手段が少しは現代社会に存在しても良いと思う。「おかげさまで・・・」生かさせてもらっている自分を客観的に見つめることも大事なことだ。
お大師さまの御下がりをいただいて、万善寺へ帰宅したのは夜9時を過ぎた頃だった。

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