FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

キーポンのトマト 

2018/07/09
Mon. 23:07

キーポンが育てているトマトが水不足で瀕死の状態だったらしい。

島根県やその近所のことしかわからないが、こんどの大雨は中国地方各所に大きな被害をもたらした。
万善寺のある保賀の谷もそうだが、大雑把にいうと、中国山地一帯は地球の日本の歴史の中では古い土地で風化が進んでいる。
そういうところだから、一方で良質の産業資源がアチコチで産出されて、少なくても日本の歴史の初期から一大工業地帯であったし、それに付随して農業や林業も発達した。

岡山では川の氾濫で被害を受け、広島では玉石を抱いた真砂土の山崩れで大きな被害を受けた。
最近のように前代未聞の大雨が降ることも珍しかった一時代前までの人々は、そういう中国山地一帯の自然環境をおおよそ理解しながらその時々をやりくりして上手に付き合って暮らせていただろうが、今に暮らす人々は急激にすすむ地球の気候変化についていけなくなっているということにそろそろ気づき実感しはじめているはずだ。
過去の長い歴史のなかで、人々は語り尽くせないほど多くの恵みを大地から頂いて過ごしてきたのだということを謙虚に受け止めることも大事だと感じる。

石彫の彫刻家諸氏は当然の常識として石のこととか地形のこととかの知識と知恵を駆使して彫刻の制作に向き合っていらっしゃることだろう。
私のような根性のない軟弱彫刻家は、地球の素材に正面から向き合って彫刻を造ることに最初から逃げているようなところがあって、人工の工業製品を彫刻の素材にしておいたほうが気楽で良かったりするから、よけいに人工の非力を棚に上げてこんどの災害を自然のせいにばかり出来ないように思えて気持ちが萎える。

山ひとつがすべて青御影の玉石で出来ているという石山が寺の近くにあった。高度経済成長の活気の中で、その山ひとつが無くなったこともある。当時は用途がそれだけ多岐にわたって消費されていたわけだ。万善寺の境内地は真砂土の山を切って平地にして出来上がっているし、保賀川をはさんだ向かい側の山からは良質の真砂土が採れて採土の採算がとれなくなるまで掘り尽くされた。玉石も真砂土も、長い年月人々の暮らしを支え続けている大事な資源のひとつでもある。それが一方で人々の暮らしを破壊する凶器にもなる。

人は地球の自然に対してゴマ粒芥子粒ほどのものか、それ以下のものだと思う。
キーポンのトマトは、小さな植木鉢の一握りの土の微量の栄養と適度な水を糧に育って実をつけることになるのだろう。
小さな植木鉢・・一握りの土・・微量の栄養・・適度な水・・そういうそれぞれの役目がバランスよく整って実をつけることができて、収穫につながってキーポンの口に入ってキーポンの栄養になって生かさせてもらっている・・という連鎖を忘れないでいてほしい。
平和な日常は無限に続くことでは無いと、そういう覚悟を持って毎日を穏やかに暮らしていたいものだ。

IMG_0845.jpg

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/3022-f73a37ca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2020-06