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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

台風と彫刻 

2018/07/26
Thu. 23:15

台風が嫌な感じで日本へ近づいている。
いつもだったら秋の台風のようで、関東を直撃するコースだが、今年はそれが7月の今の時期になっている。

秋の台風には過去に何度か彫刻展で苦労させられた。
私が彫刻を野外会場へ展示するようになったのは、まだ展覧会が上野公園内の東京都立美術館で開催されていた頃だ。
美術館の東側入口から建物の壁に沿って右側へ進んだところに大きな銀杏の木があって、その木をぐるりと囲むように小さくて狭い野外彫刻展示室があった。
野外展示室の西側に展覧会の搬入口がある。野外彫刻は審査があって会期が始まるまでその搬入口前の駐車スペースへ仮置きすることになっていた。
島根から彫刻を運搬して搬入を済ませてその日のうちにまた島根へトンボ返りするという強行スケジュールを何年も続けていたから、上野の美術館の滞在時間は早朝からお昼すぎまでの数時間しかなかった。そういう時に台風が重なったりすると、もう嫌になるくらい大変な作業が半日ほど続いて、グッタリと疲れたまま島根に向かって東京を出発することになる。そういうことが、2~3回はあった気がする。
展示中に台風が通過することもあって、関東に在住する彫刻家の友人へ電話して善後策を工夫するなどして気をもんだことも数回あった。
会場が上野から六本木へ変わった最近でも、会期中に台風通過が何回かあって、予測不能な六本木のビル風にはいまだに気をもんでいる。
そんなわけで台風というと、島根のことより東京とか彫刻のことが真っ先に結びつく。

振り返ると、もう30年以上も島根で彫刻を造り続けていて、それを毎年最低1回は東京へ運んでいる。
私もワイフも、20代の頃から何かしら展覧会の出品発表を続けていた。
彫刻の制作で苦労することはたくさんあったが、島根へ帰ってからあとの搬入搬出の彫刻出品に付随する諸事情に関しては彫刻制作とはまた違った全く別の苦労が多々あって、それらの事情をすべてゴクリと飲み込んで「こんなものだ!」と片付けてしまわないと、今まで毎年続けて彫刻を造ることは出来ていなかったと思う。
30年というと、ずいぶん歳をとった。
その間に、島根の彫刻仲間も少し増えたし、ワイフと二人だけで彫刻を続けているよりは賑やかになって励みにもなったが、結局みんなで一緒に1年ずつ毎年確実に歳をとっているわけで、そうなると、みんなで一緒に制作の肉体的精神的負担も増してくる。吉田家の場合は経済的な負担も加わるし、そろそろ年齢の先も見えて、どう考えてもこれから先の彫刻発展は望めそうにない状態だ。
ワイフのことはどうかわからないが、私の場合いまのところ彫刻造形の枯渇はなくて、それが唯一の救いといえるものの、制作の体力減退が実感できるようになった。あとは、経済も含めて総合的具体的に現状を判断しながら彫刻に向き合うしか無いと思っている。
いずれにしても、自分の彫刻で出来ることを出来る範囲でコツコツと楽しみながら続けるようにしていくつもりだ。
今度の個展からはボクの彫刻制作が後編に入った感がある。

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