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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

米虫世界 

2018/07/28
Sat. 23:41

朝から暑い!
万善寺の境内も、真砂土が見えなくなるまで各種の庭草が茂ってきた。
この暑さで外仕事をする気になれないから、庫裏のアチコチを片付けたり修繕したりして過ごしている。

本堂への渡り廊下へ先代夫婦が使っていた古い精米機がある。
最近は町に1・2箇所コイン精米機ボックスが設置されていて、500円もあれば無洗米を精米してくれて便利になった。そういう事もあって使わなくなった精米機はそのまま取り扱いにくい粗大ごみになってしまった。捨てるのは簡単だが、あの重たい機械を運ぶのも面倒だし、ジャマだけど当面はジャマにならないところへしまいこんで自分の住職代はそのままにしてしまおうと思っている。
精米機の近くに一斗缶があって、その中に精米が終わったもち米がビッシリ詰まっていた。
もう3年以上前の古々米で、米虫が食べて米粉になりつつ、虫の方は缶の中でサナギになって羽化してまた卵を生んで、何世代も世代交代しながら生き続けていた。彼等にとって食料はほぼ無限にあるから上手に交配を続ければ一斗缶の小宇宙で無限に子孫を繋ぐことが出来るかもしれない。

思えば、人間世界・・というより地球のあらゆる生き物すべても一斗缶の米虫世界と似たようなものだ。
実にチッポケなものだ。
お釈迦様はすでにそういうことに気付いていらしたということを、スンナリと受け入れられる。なんとなく曖昧なまま、その「曖昧である」ということに疑問を感じるわけもなく、特に深く詮索することもなく、何気なくそれをそのままそんなもんだと受け入れている自分がいる。
自分が生涯で自分に出来ることはせいぜい知れているし、自分の一生など地球の歴史では一本の髭先の点よりもまだ微小な痕跡にもならない。
精一杯頑張って切磋琢磨の上昇志向は、結局自分の目指す先に貪欲になればなるほどジャマな垢や埃や汚れが絡みついて、気がつけば折角の琢磨の輝きが濁ってしまっていたりする。我欲や名誉欲やプライドや主観の正義感とか・・・そういうモノにしがみついて悶々と悩み苦しむ様子のなんと虚しいことか・・・

自分に出来ることを丁寧に育みつつコツコツと積み重ねることに終始していれば、そのうち自分で気が付かないまま何かの自分らしさのようなものがちゃんと蓄積されて積み重なっていたりする。それがその人の生き抜く力になって、生き抜いた証になっていくものだ。

一斗缶の米虫に弱肉強食の大きな世界を見せてやるのもいいだろうと、ふと悪心が盛り上がって、庫裏の外の三和土へ持ち出したら、15分もしないうちに何処からか蟻が沸いてきて、その日の夕方には雀の集団も舞い降りて、米虫はひとたまりもなく全滅した。

IMG_8439.jpg

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