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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

猛暑の朝 

2018/08/02
Thu. 23:22

朝の涼しいうちに棚経案内を配り終わろうと思っていたら、飯南高原の現状はそれほど甘くなかった・・・
寺を出発したのは午前8時過ぎ。農業地帯だとはいえ、朝があまり早いと迷惑になるかも知れないから、それなりに遠慮しているわけなのだ。
それで、あらかじめ夜の涼しい間に夜なべして印刷しておいた棚経案内を地域ごとに仕分けして出発したのだが・・・なんと、国道沿いの温度計はすでに32℃!
もう、この時間で30度超えというのは、ボクの人生で経験がない。

この続いている猛暑は飯南高原や石見銀山や島根だけのことでなくて、キーポンが暮らす東京も朝夕の通勤がすでに我慢出来ないほど暑いらしい。
日本全体が自分の体温並みに暑くなっている時点ですでに異常気象だ!・・・と思っていたら、ヨーロッパでも猛暑で森林火災が発生しているし、大きな氷山が崩壊して津波のような大波が海辺の集落を襲っているところもあるようだ。

「毎日暑いことで・・・」
珍しく家先で朝から外仕事の奥さんに案内を手渡した。
「まぁまぁ〜、暑いですねぇ〜・・・うちのおばあさんがこの春から徘徊をはじめまして、家を開けられなくなってしまいましたぁ〜」
案内を受け取りながら近況の世間話が始まった・・・
話題のヌシのおばあさんは、随分前に若くして旦那さんが亡くなって、それからしばらくして早期退職された息子さん一家が帰省されて、おばあさんと同居された。
家族みんな畑仕事が趣味で、精力的に野菜や花を育てて近くの道の駅に出荷するなどしていらしたが、それからすぐに息子さんが病気で先立たれ、今は嫁と姑の二人暮らし。
まだ元気だったボクの母親も畑仕事が趣味のようなものだったから「せっかくあれほど沢山野菜作ってるんだから○○さんのように、道の駅に出荷でもしてみたら張り合いも出来るんじゃないの?」とそのお宅を例えに勧めてみたりもするほどだった。
母親の方は、息子の提案を完全に無視して、自分が育てた野菜を毎日毎日飽きもせず煮たり茹でたり炒めたり漬けたりして、ひたすらセッセと自分で消費するばかりだったが、それでも全て食べつくすことにもならなくて畑の野菜の大半はそのまま腐って雑草の肥やしになっていた。カラスやイノシシが毎日のようにつまみ食いをするものだから、母親はヨチヨチ歩きながら網をかけたり柵を回したりと必死で彼等を撃退する策を練っていた。
おばあさんの徘徊話を聞きながら、ボンヤリと母親のことを思い出していた。

おばあさんの認知症による徘徊はかなり重症でデイサービスや病院でも手に余って家族の付き添いが必要な状態であるようだ。
「そのうち、奥さんのほうが先にダウンされますよ。気をつけられないと・・」
そのくらいのことしか返事が出来なかった。息子さんが亡くなって、今年3回忌が過ぎた。まだ雪深くてお墓参りが出来なかった。そういえば、息子さんの法事でおばあさんの姿を見なかった。
ボクの母親は元気なまま死んでくれて息子孝行だったと、今更ながらに気付かされる。
いろいろあったけどボクは幸せ者だ。

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