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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

台風一過 

2018/08/24
Fri. 23:21

このところ、変な台風が変なふうにやってきて、何か落ち着かなくて面倒臭い。

前回の台風は、防災放送があったりして大騒ぎしたわりに、見事になにもないまま過ぎていった。
今度の台風は、夜になって徳島へ上陸したらしいから、ひょっとしたら島根の方も風雨がすごいことになるかも知れないと寝る時は少し緊張したが、朝方になってドッと大風が出て境内の色々なものが音を立ててアチコチへ飛んでいったものの、雨が降るまでにはならなかった。
外の洗面所へ置いてある二層式の古い洗濯機が、台風崩れの突風にあおられて庭側へ倒れた。反対の石垣側へ倒れたら3mほど下の菖蒲の茂みへ落ちて壊れてしまっていただろう。重し代わりにしていたブロックが倒れた拍子に2つに割れて転がっていた。電源を入れて動作確認まではしていないが、モーターが動かなくても洗濯槽を水槽代わりに使うことも出来るし、あとは、土蔵の前のアルミ製脚立が吹っ飛んで倒れていたくらいで最小限の被害で済んだ。今度も万善寺のご本尊様が守ってくださったのだろう。

台風というと、少年の頃「台風一過」を「台風一家」と、かなり長い間勘違いして覚えていた。
遠い昔の記憶で定かではないが、今から半世紀くらい前の島根県は今より台風の直撃回数が多かったように思う。
庫裏から本堂から東西南北周囲の雨戸を閉め切って、家族が家の中の一番安全なところへ集まって台風が過ぎるまでじっと絶えていた。杉板を張り合わせた板戸が物凄い勢いでガタピシ揺れて、家中がミシミシと嫌な音をたて始めるほどの強烈な暴風雨になると、板戸の隙間からシャワーのように雨が吹き込んで座敷側の建具の障子が濡れて破れたりした。とにかく、そういう様子が台風の通過に合わせて南から東へ回って北からの吹き返しが西側へ回り込んで落ち着くまで家族が思い思い何かしつつもだいたい一処へ寄り添って無言でやり過ごしていた。とにかく、こういう家族が一箇所に集って台風が過ぎるのをジッと待っている状態がボク的には「台風一家」であると思っていたわけだ。

東京ぐらしを切り上げてワイフと結婚して島根へ帰ってすぐの頃だったと思う・・「台風クラブ」という相米慎二監督の映画があった。
勤務先の住宅でまだ新婚気分が抜けない二人暮らしの夜更けに、レンタルの新作ビデオで観た。あの頃の島根は老舗の映画館が積年の老朽化もあって軒並み閉館している斜陽の時期でもあったから、自分が観たいと思う少し変わった映画はビデオでチェックするしか方法がなかった。台風で学校へ閉じ込められた中学生たちの教室での一晩や増水して水浸しのグラウンドでの狂気の様子が重たい凝りになって記憶に残っている。鬱々として理屈っぽくて湿っぽいボクの高校生活時代を思い出して親近感を覚えた不思議な映画だった。

台風一過とはよく云ったもので、今度も台風が雲を飛ばして風が消えるとすぐに青空が飯南高原いっぱいに広がった。
丁度、ノッチがフロリダの仕事終了をLINEで知らせてくれて、少し気も晴れた。
一年間のディズニーリゾート日本館スタッフお疲れ様でした・・・

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