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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

ノッチ帰国 

2018/08/31
Fri. 23:09

ニール・サイモンさんの訃報が入った。91歳だったらしい。
そんなに高齢だったとは思っていなかった。
記憶の糸を手繰ってみると、確かにグッバイガールを映画館で観たのは学生の頃だったから、もうあれから半世紀近く過ぎたわけで、そうすると死んだ両親と同じくらいの年齢であったのも頷ける。私も歳をとったものだ・・・
ニール・サイモンさんが脚本を書いたグッバイガールは売れない役者が出てくる。
なにかしらの夢もあるし、自分の理想も持っているのだが、現実は厳しくて何をやってもうまくいかない・・・まぁ、簡単にいうとその役者がそういう状態で悶々と足掻きまくるようなストーリーだった。
その映画の当時は、自分もまさに何をやってもうまくいかない、自分の目指す先は何なのか想像もできないし予測もつかない・・・と、実に曖昧な毎日を送っていた頃だったから、その映画を観た時は、彼のうまくいかなさ加減のドタバタが手放しで笑えなくて辛く感じることの方が多かった。

数年前から断捨離を強く自覚するようになって、まずは自分の身辺から次々とあらゆるものを手放している。
そのひとつが映画関係の収集品。
数え切れないほどのビデオテープとキネマ旬報などの映画雑誌は、資源ごみに出したり紙類の回収業者へ持ち込んだりして、自分の周囲で見える範囲のものはおおよそ片付いた。それでも、まだ押し入れや物置を片付ければアチコチにしまい込まれたモノがたくさん出てくるだろう。
DVDは、まず再生のデッキを各種オーディオ機器から取り外して倉庫へしまった。
そうすることで、新しくDVDソフトを買ったりレンタルしたりすることが防げる。
そうしておいて、あとはひたすらダンボールの空き箱に買い集めた映画ソフトを詰め込んで近所の宿泊関連施設へ全て差し上げた。眼の前から、積み重ねられたハードケースの背表紙が消えたことで自分の気持の整理も踏ん切りがついてスッキリした。
CDも目に見える範囲のほとんどすべてを音楽好きな人にゆずったりしてサッパリした。

目の前から自分の好きなものが消えてなくなると、それから暫くの間はなにかと思い出すこともあって少し寂しかったりもするが、そのうち現実の暮らしに紛れて気にならなくなってくる。心の何処かでは、まだ忘れられてはいないのだろうけど、だから禁断症状が出て暴れまわることも無いし、どこかしら記憶の片隅に思い出のひとつとして張り付いたふうに残っていればそれでいいと思えるまでになった。
親子の関係も、彫刻も寺のことも、具体的に何か「かたち」で残っているモノは、あまりにも鮮明にリアルな現実でありすぎる。歴史の検証とか資料的価値として大事なモノもたくさんあるのだろうが、今のところ、自分を将来に残すべき価値のあるモノなどひとつもないから、もうしばらくは節目ごとの断捨離を続けていこうと思っている。

ノッチが遂に帰国する。彼女の年齢の自分はモットモットいい加減で曖昧にだらしなく見栄を張ってばかり生きていた・・・

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