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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

住職家業 

2018/09/07
Fri. 23:00

9月に入って、はじめての年回法事があった。
施主さんの先代夫婦の年回を一つにまとめてしてくれということで、事前に自作の杉板塔婆を2枚託されていたから、それに戒名など書いて持参した。

昔は、法事の度に施主家の裁量で塔婆をつくって菩提寺を迎えた。
坊主は、法事当日に30分ほど早く施主家へ出向いて、その場でサラサラと塔婆を書く。
萬善寺の先代住職も現役時代はだいたいそうやって乗り切っていた。
身体が動きにくくなった晩年から副住職の私が法事を引き継ぐことも増えて、同時に施主家の方も代替わりが増えて、法事当日のプロローグパフォーマンスでもある塔婆書きショーがうまく機能しなくなってきた。
「えぇ〜〜、本日は13回忌のご法事ということでお参りさせていただきました・・・、なにかとご心配のことでしょうが・・・ひとつよろしくおねがいします。ところで、塔婆のご準備はどのようで??・・・」
「・・・・・??、トォーバといいますと??」
「ご当家でご準備されてあると思いますが・・・」
「・・・?・・・エッ???ソォーなんですか??」
てなかんじで、お経の前からドタバタの大騒ぎになったりすることもシバシバ・・・

飯南高原に萬善寺のお檀家さんは少なくて、ほとんどが塔婆のいらない浄土真宗さんのご門徒さんばかりの土地柄もあって、施主家での申し送りが曖昧に済まされていたりすると、仏事の常識がほとんど欠落したまま法事を坊主の方が仕切ることになったりする。
萬善寺周辺でも葬祭業の浸透で仏事の不案内な施主家が一式丸投げの葬式仏教が増えた。
坊主の布教活動が怠慢であることも一因なのかもしれないが、まぁ、ボク的にはそういうややこしい仏事の決まりごとをクドクド説教しても、結局は聞く側の仏教信心の主体的な受け取り方の問題だから「ソォーいうことはあまり興味ないので」とか「難しいことはわからないので」とか「仕事が忙しくて」とか、なにかと都合の良いように言い訳されておしまいだったりする。
それで数年前から、自分で奈良県の間伐製材屋さんへ直接塔婆制作を依頼することにした。そうしておけば、法事の話が入った時に「それで、塔婆はどうされますか?」と一言事務的に問い合わせするだけで事前のドタバタが解消できる。

世間話をはさみながら家族だけのささやかな法事を済ませ、寺で着物を着替えて洗濯を済ませてから、斎膳の折弁当とお供えに頂いたピオーネの粒落ちパックを持って吉田家へ急いだ。
ブドウはなっちゃんへ土産にして、弁当はワイフへ土産にした。
最近は斎膳のほとんどが弁当になった。贅沢な話だが・・・法事の度に似たような詰合せの弁当を頂いていると、そういう、見た目重視の小洒落た料理より、ワイフの手作り家庭料理のほうがずっと美味しく感じる。それでも、彼女の方は「美味しい♡!」とか、「珍しい♡!」とかいって、結構喜んでくれえるので、粗末になることはない。残りは自分でありがたく完食させていただく。

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