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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

守破離 

2018/09/27
Thu. 23:26

徳島の野外彫刻を造り終わって搬入したあと、一度工場を片付けてザッと掃除をした。
ワイフが見ているテレビでは、しきりに台風のことを報道していて、それも気になる。
週末には徳島中央公園の野外彫刻展がオープニングを迎えるが、北上している台風がそれを目指すように東寄りに進路を変えてくる。
いつもはだいたいがヒマに暮らしているボクにとって、この週末は1年に何度もない試練の日々になりそうだ・・・

工場の次の制作は、六本木の展覧会で出品する野外彫刻。
ちょうど1年くらい前に、石見銀山で個展をしないかと地元のアパレル会社のボスから誘いがあった。
そのボスとはもう30年ほどの付き合いになる。
きっかけは彼の店で彫刻の個展をしたこと。
それが縁になって、その後定期的に個展をして今度の誘いが確か4回目になる。
今年の六本木の彫刻は、個展の連作で考えていたうちの1つを造ることに決めていた。
この彫刻のテーマは、かれこれ4〜5年あたためてきた。
少しずつ試作を繰り返して工法の様子を見ながら、自分の気持の中で彫刻のかたちとかバランスとか配置とかスケールなどの要素が固まってくることを待っていたところもある。
1年前に個展の話をもらった時から雰囲気を確かめていたが、やっと無駄なかたちを捨てられるふうに気持ちが向いてきた。野外彫刻は不特定多数の目に入るから、どこかしらひとの感を刺激する要素も必要だとは思うが、それは必要最小限にとどめておこうと思う。

私が彫刻を造るようになったのは、10年の東京ぐらしを切り上げて島根県へUターンした年からになる。
学生の頃は金属工芸の技術習得や素材研究などをしていて本格的に彫刻の勉強をしたことがなかった。社会人になって仕事をしながらその合間を縫って同時進行で制作の実践を積み重ねながら少しずつ彫刻の造形感を身体で覚えた。
金属工芸の勉強をしていたときの師匠は、多くを語らないで「見て覚えろ!」的な職人の棟梁のようなタイプのひとだった。
その師匠を通して「守破離(しゅはり)」を知った。
当時は、単純に知識だけのことでその意味を頭で覚える程度のことだったが、なんとなく自分のこれからの制作にとって「とても重要な要素になっていくのだろうなぁ・・・」と漠然と感じるものもあって忘れないまま今に至っている。
最近はその守破離が自分の彫刻にとって大事なことなのだと実感することが増えた。たぶん、なにか一つの要素が崩れたり偏ったりして全体のバランスが乱れることが増えてきたからだと思う。体力や身体能力が気持ちの充実とか高揚についていかなくなっている自分を感じる。自分の現状とクールに向き合わないといけない。これから先、納得できるだけの彫刻はそんなにたくさんできるわけでもないことだから・・・

「わたし、そろそろ帰るね」・・・ノッチが朝のうちにそう云っていた。
久しぶりの石見銀山で、少しは心身のリフレッシュになったのだろうか?

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