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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

Landscape trace〜或る日の痕跡〜 

2018/10/04
Thu. 23:05

今開催中の徳島野外彫刻展に出品させてもらっている彫刻の現場写真がメールで届いた。
主催代表の松永さんが気を利かせて天気の条件を見て撮影して送ってくれた。
搬入設置も慌ただしかったし、オープニングは「少しゆっくりできるかな?」と思っていたら台風の通過が重なってその日も結局搬入以上に落ち着かない日程になってしまった。
そういうこともあって、まともに彫刻の設置状況を記録できないままになっていたのだが、彼の気配りの御陰でかろうじて2018年制作彫刻の現場をおさえることができた。

前回の個展から4年位は経っただろうか?・・・久しぶりに年末から石見銀山で個展をすることになった。
メインタイトルは前回の個展を原則引き継ぐことにした。形態のコンセプトはあの時におおよそ一つの方向性も決まって、次の展開も迷いがなくなっていたから、自分としてはひと通りやり尽くした満足感もあった。
それからあとの彫刻はまだ十分に煮詰まっていなくて迷いの残ったままあたためていて、鉄をメインにした実材へ置き換えることを優先に考えながら数年過ぎて、その間に出来上がった数点の彫刻制作は自分の思考の痕跡を系統立てて見つめ直すのにはとても都合の良い期間であったし、良い意味で気持ちの切り替えもできて良かった。

私の彫刻個展は、私小説のような立ち位置で続いているところもある。
だから、主催や鑑賞者には申し訳ないが、限りなくわがままに造りたいものを造りたいように造って、展示設置も自分の好きなように好きな場所を決めてわがままを通させてもらっている。
会期もだいたいがウインターシーズンの雪深い時期でアクセスのストレスもかなりあるから、それを承知でわざわざ冬の石見銀山を目指すような物好きもそう滅多いない。
彫刻はほとんどが野外彫刻で雪の降り積もった全貌の確認しにくい劣悪な状況に耐えてひと冬過ごすことになるし、またそれに耐えられるだけの工法の裏付けも大事なことで手が抜けないし、そういう普通は避けて通るような面倒臭いコトをわざわざ個展条件に決めて彫刻を造っている自分をクールに見つめ直すと、自分で自分をいじめて喜んでいるようなところもあって「オレはひょっとしてドMかも??」などと思ってみたりする。

彫刻そのものは、そんなに難解で理解に苦しむような形態でもないと自分では思っているが、それも結局は吉田正純という人間をどこまでクールに認識して作者と作品の相互反応を許容できて寛容できているかどうか?・・・その容量の大小深浅で「難解」の距離も変わるだろう。
自分の中では、どちらかといえば具象と云うより抽象にシフトしている彫刻を造っているのだろうと思っている。そもそもの、制作テーマそのものが具体的に目の前に存在するナニカでは無いわけだから抽象性が強まることは当然だとは思うが、抽象表現すべてが理解不能で難解であるというわけでもないし、精神の開放であったり普遍性であることの超然的な包容力もあると思っている。
「なんとかして理解しなければならない!!」などと、小難しく考えながら観て頂く必要など全く無くて、自分の好きなように勝手な主観で観てもらえばそれでいい。

IMG_3968.jpg

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