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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

台風の後・・ 

2018/10/07
Sun. 23:44

法事へ出かける頃には雨も風もやんで静かな朝になった。
秋の台風が日本海を通過したことが嘘のようだ・・・それから石見銀山へ帰って・・・夕方まだ波の残った日本海へ出ると、沖の方をタンカーがゆっくりと西へ向かっていた。

鳥取在住で私と同じ公募団体展へ出品しているまだ若い絵画のMさんから「どうやら入選したらしい・・」とショートメールが入っていた。
彼女は、地元の大学で美術教育を専攻して卒業してから学校の先生になった。
ワイフが付き合って出品している山陰のグループ展へ彼女も出品していて、ワイフの搬入を手伝ったりしているとき何度か会場で絵を見かけたことがあったものの、その頃は、それほど強く印象に残る絵画であると思って観ていなかった。その次のグループ展のときだったかに観た絵もあまり印象になかったのだが、どこかしらその展覧会の中では面白いセンスを持っているように感じたので、その時企画していた美術イベントの教室個展へ誘ってみた。そうすると、いがいにすんなり食いついて出品してくれることになった。

会場は廃校になった小学校の教室だから、大きな絵画が楽に展示できるようなシステムではない。そういう現状を説明して、いくつかの過去資料も用意して、あとは作家の自由に任せて、展示の手間などの諸経費を保証することを伝えて、おおよその打ち合わせを済ませた。
会期が近づいてから手間の手配を打ち合わせして、いつも私がお世話になっている棟梁へお願いして彼女の展示へ付き合ってもらうことにした。
それから、それなりにいろんな事があったが、ひとまずイベントのオープンには間に合って展示の終わった会場へ行ってみると、グループ展へ出品していた絵画作品とは全く違ったインスタレーションになっていた。
「彼女はこういうセンスも持っているのか・・・」
意外ではあったが、一方で印象が大きく変わった。

山陰の小規模な仲の良い友達が集まって出来上がったグループ展も、それはそれで出品者にとってはとても大事な研鑽と発表の場ではあるのだろうが、吉田としては、そういうところでの造形に関するディスカッションが自分の制作や表現の伸長に影響できているか、あまり期待できない気もしている。
結局は、グループ展に限らず発表の実践においてとても重要な制作上の趣旨でありテーマであるところの根本をそれぞれ作家個々人がどれだけ共通理解を持って認識し共有してお互いを高め合い刺激しあっているかが大事なことで、そういうことにどこかしら曖昧なところがあって、ある種のヌルサの共有に作家間の居心地の良さがあったりするような環境になっていたりすると、それで自分の作家性の成長や向上を期待することはなかなか難しいことなのだろうなぁと思ってしまう。それぞれの作家が自分の造形表現を研究し成長を目指すことはまず当然なことだが、その自分の表現システムや主観を押し売りしたりしはじめたら、もうどうにもならないし表現の成長を阻害することにもなりかねない。
彼女の場合は、そういうグループ展や周辺の作家事情も含めて現状をクールに認識しながらピュアな自分のセンスを磨き続けてほしいものだ。
・・・とにかく入選おめでとう!

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