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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

法事の日 

2018/10/21
Sun. 23:59

9月に帰国したノッチは、1ヶ月以上就活をしないまま気ままに暮らしていた。
それでも、毎日遊んで暮らしてばかりいたわけでもなく、住むところを探したり、金融機関の口座を引きついだり、住民票や保険などの事務手続きをしたりして、1年間留守にしていた日本の日常を取り戻しつつ社会人としての基盤を再構築していたようだ。
日本で就職するにも生活の基盤が落ち着かないと、履歴書1枚もまともに書くことができない。世間はグローバル化が加速しているようにもみえるが、組織に属さない個人のレベルではまだまだ社会生活のハードルが高いようにも感じる。
そういう現実の面倒臭い厳しさを、愛嬌と図々しさと人脈とその場のノリでアクテイブに乗り切るノッチのたくましさをみていると、我が娘ながら凄い人間になったものだと感心する。
日本での日常の暮らしができるまでにひと通りのことが一段落して履歴書の様式もソコソコ整備できるまでになって、本格的な就活にとりかかったと聞いていたのはつい先日のことだったのに、あれから1週間も経たない間にアッという間に貿易会社の事務職で再就職が決まったのは、ちょうど私がワイフの彫刻ともども六本木の美術館で陳列展示作業を終わって展覧会がスタートした日だった。それで、11月1日から、彼女は毎日東京のオフィス街のド真ん中へ通勤することになった。

彫刻絡みで慌ただしく過ぎた東京往復のあと、今月にはいって2つ目の法事があった。
ご親族の都合で決められた日程は、遠く群馬県の方からも帰郷されとても賑やかな法事になって、ご自宅前の町道が大小の自家用車で埋まった。
朝が早かったので、萬善寺には前日に入って塔婆を書くなどの準備をした。
吉田家では、台所仕事をすべてワイフへ任せっきりになっているが、寺の一人暮らしではそういうわけにもいかないから、冷蔵庫や冷凍庫を見繕って適当に夕食を作った。
正月にお供えで頂いた日本酒が本堂の位牌堂の棚へそのまま残っていたのでそれを開封してみると、すでに若干黄みがかっていた。ワイフを始めとして、私の周囲では「あいつは呑助だ!」と思われているが、自分ではそれほどでもなくて酒に関してはいたって常識的に普通の人だと思っている。
まだ昭和の時代は、社会が酒にそれほどうるさくなかったから、貧乏な山寺でも1年中お供えに頂いた日本酒や麦酒が切れたことがなかった。それでも先代住職は晩酌が底をついて時々酒屋へ麦酒の大瓶をケースで配達してもらっていて、今の自分よりは相当酒豪だった・・・そんなことを思い出しながら1合ほどレンジでチンして飲んだ。

寝る前に家族のSNSを見たら、ノッチがまた出国していた。昔の知り合いがNYで仕事をしていて、彼女がフロリダに居た時には時々合っていたらしい。就職も決まって、これから先しばらくはノンビリと旅行もできなくなるだろうからそれもいいだろう。
坊主家業のオヤジは、住職の立場でもあるし、萬善寺を起点にしてナニカの時はすぐにストレス無く移動できる手段を用意しながら毎日を過ごしているようなところもある。なかなか窮屈なことだ。
小さい時からそういうふうな暮らしに慣らされているようなところもあったから仕方がないと思いつつ、吉田家の家族はもっと自由にさせてあげたいと思う。
一度しか無い人生だから・・・

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