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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

上出来な未完成 

2018/10/24
Wed. 23:06

もうそろそろ10月も終わろうとしているのに、まだ半袖でもいいくらいに温かい。
ケイティの宿舎前で待ち合わせをして、一緒に工場へ向かった。
助手席の彼女と日本語と英語で作業の話をしていたら、彼女は防塵用のグッズを持っていないことがわかった。
いつもはボク一人で制作をするだけだから、必要なモノを余分にためているわけでもないので、急きょ近くの町のホームセンターで調達することにした。
一応、まがりなりに金属彫刻のプロだと思っているボクとしては、それに関する色々な工具や消耗品や材料を資材業者さんを通して取寄せているし、よっぽどの急用でも無い限りホームセンターを利用することがない。広い店内でお目当ての必要なものを探すだけでも一苦労で、無駄に時間を潰してしまった。
二人でレジに並んで支払いを済ませると、すぐに工場へ移動した。

昔は簡単なメモを描いたり、小さなマケットを造ってだいたいの様子を決めてから制作に入っていたが、最近は鉄板へそのまま蝋石でドローイングしてその線を頼りにプラズマ切断機を使ってしまう。
彼女が工場のテーブル代わりに使っている鉄板の上へ図面のような制作メモを広げた時は少々焦った。
とにかく、工具の使い方をひと通り解説して、あとは図面の寸法をおおよそまかなえる鉄板を用意して「コレで何とかしてネ♡!」と日本語に英語の単語と身振り手振りをそえて伝えた。
私の方は、制作途中の彫刻を半自動溶接があるから、狭い工場で彼女のじゃまにならないように気を配りながらセッセと制作の作業を続けた。

ケイティは、結構・・というより、かなり神経質な作家だと思った。溶断した鉄板を紙の図面へ当てはめて寸法の狂いをディスクグラインダで修正をしている・・・「こりゃぁ~1日で完成は無理だな・・」
まだ若かった頃の自分を思い出す。
本格的に彫刻をはじめた頃は、3✕6板ベニヤをカッターナイフで裁断して原寸サイズの型から造っていた。今のケイティの作業の様子があの頃の自分にダブって見える。何かしら懐かしくて、忘れていた過去の自分を思い出した。

お昼はラーメンを食べた。旅慣れているケイティは、出されたものをなんでも「美味しい!!」と食べる。おもに地元で働くオヤジたちや長距離のトラッカーたちを相手にしている食堂だから、それなりに量が多くて美味しい。結局、ケイティはラーメンを完食することができなくて、お店の店員さんに済まなそうな顔をしていた。

夕方少し暗くなるまで仕事を続けて、私は予定通り1日の作業を済ませた。
彼女はやはり、完成しなかった。
それでも、慣れない工場の慣れない工具で仕事をしたわりには、上出来だと思う。
イギリスではなかなかの実力者だろうと感じた。

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