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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

坊主事情 

2018/10/25
Thu. 23:55

前日の雨が少し残って、石見銀山の早朝の町並みはしっとりと濡れていた。
ずっといい天気が続いていたから、これから少し本格的な雨になるかと思っていたらお昼前にはすっかり良い天気になった。

10月末は六本木の彫刻搬出があって、11月に入ったら富山町の美術イベントが始まる。
それまでにいくつかの萬善寺がらみの用事を済ますことになる。
少し前にお地蔵さんの供養依頼が入った。毎年おおよそこの時期におつとめしているが、日時は流動的ではっきりしない。
そのお地蔵さんは昔、地域の町別れの境界峠のてっぺんへ安座されていたそうだ。その尾根の峠が、日本の近代化が進む中の国道拡幅工事で切通しになって消えた。その後、道筋の変わったあとの国道脇に場所を移動して安座されてあったのだが、今度はその場所に近所の蕎麦屋さんが製粉工場を建設することになってまた移動することになった。その頃は前住職が遷座安座の法要をつとめて、私が先代からお地蔵さんの供養を引き継いだのはそれからしばらくしてからだった。
道端のお地蔵さんだから、法要が雨の日もあれば大風のこともあって、1年に1度だけのことではあるが心配が多い。
昨年、蕎麦屋さんの工場を拡張することになって、そのお地蔵さんがまた遷座されることになった。これで、私が聞いているだけでもお地蔵さんの遷座場所替えが3~4回は繰り返されていることになる。人間の暮らしの都合でアチコチ移動が多くてなかなか落ち着かないお地蔵さんだが「隣の山が土を採り尽くしたら広くなって見晴らしも良くなるし、そうしたらあの場所が良いんじゃないかと・・」などと、蕎麦屋のご主人がまた遷座先のことを考えていらっしゃる。
そのお地蔵さんのような石の野仏様は、だいたいどの地域でも似たようなことが繰り返されてアチコチ移動されることが普通だ。
最近では、地域でお守りすることも叶わないと、農地や道端に点在する野仏さんを一箇所に集めてお祀りされたり、熱心に信心される地域では、みんなで出資してお堂を建立されるところもある。萬善寺の六地蔵さんは、過去に数回のお堂改築を繰り返しながら参道脇の同じ場所に安座されるが、私の記憶にあるだけでも何度と無く「近所の野仏さんが粗末になるもんで・・」と、十王さんや木葉地蔵さんが持ち込まれてお堂が手狭になっている。
明日は、そのお地蔵さんのおつとめと七日つとめがあるから久しぶりに朝から通勤坊主をすることになる。

NYに旅行中のノッチは、ブロードウエイを堪能しているようだ。SNSの写真を見ていると、飯南高原のお地蔵さんとのギャップがありすぎてどうもピンとこない。
家族の歴史というか、自分の宿命というか、私のように寺で縛られた生涯を決められていたりすると、その枠の中でギリギリの選択肢を模索しながら毎日を窮屈に過ごさなければいけなくなって、なかなかしんどい。これから先、NYどころか、徳島の阿波踊りや京都の祇園祭や仙台の七夕まつりなどなど、自分には一生縁のないモノもたくさんある。
彫刻を造っていられるだけでもありがたいと思わないとね・・・

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