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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

とみ山フィールドアートワーク教室個展 

2018/11/06
Tue. 23:56

教室個展には絵画の竹田茂氏と彫刻の周藤豊治氏も参加してくれた。
彼らは島根県出身の作家で、昔から親しく付き合ってくれている。
竹田さんは今年で3年目の個展となる。
周藤さんはとみ山フィールドアートワークへ野外彫刻を出品してくれているが、教室個展は今回がはじめてになる。

ふたりとも作家暦でいうと美術界では中堅のベテランといっていいだろう。公募団体展やグループ展の出品歴も長いし、各地の大賞展へも積極的に出品を繰り返している。
そういう、実力者の個展はイベントの質をレベルの高いところでキープできるので主催者としては安心できるし助かる。反面、美術にあまり親しむ機会がなかったり審美眼を鍛える機会の少ない一般の鑑賞者にとってはハードルの高い展覧会になってしまうところがある。
しかし、私としてはそういう一般鑑賞者に対して日常の暮らしに刺激を与える素材としての美術的ストレスを提示することも大事なことだと思っている。
美術のような俗に云う文化活動は、その成果が具体的なわかりやすいカタチとして実在させることが難しいし、だれにでも簡単に手掛ける素材でもなく、それなりに専門の知識や技術の裏付けがないとどうにもならないところがある。「よくわからない」とか「むずかしい」とか「センスがない」とか、そういうネガティブな感想や反応が結局「興味がない」という自分中心の価値判断で片付けられて「趣味の世界」として一括りにされてしまう。美術活動そのものに生産性を期待することは難しいから、どうしても需要と供給の活性を目指す一般の経済社会構造からは縁遠くなってしまいがちだ。彼ら個展作家も私もそういうことは承知の上で制作を今に継続していることになる。
では、作家性の現実はいったい日常の暮らしの中でどのあたりに位置づけられているのだろう・・・それは大袈裟に言うと、生活の手段とは一線を画する「生きる証」ようなものだと思う。
漫然とした日常の積み重ねに幸せを感じることも大事な生き方であると思うが、一方で常に自分のオリジナルを追求することに飽きない生き方もその人にとって唯一無二の生き様の証として、それを貫くことの喜びを感じることも日常の幸せを紡ぐことになっているはずだ。

周藤さんの彫刻は、数年前から一気にオリジナルの造形感が芽生えてき始めたと感じる。今後の展開が楽しみであることと同時に、今までの彫刻を冷静に振り返る機会を造ることも大事なことだと考えて個展の依頼をした。
竹田さんの絵画は、何年も前から少々迷走を始めたふうに感じていた。彼の表現の悩みがそのまま素直に絵画に表出していた。このまま悶々と悩み続けることは自己表現の開放に支障をきたす・・・そういうふうに感じて個展を誘った。その時時の自分の悩みを吐き続けることが次の表現の解放につながると思ったからだ。
二人の作家は、今の私にとってとても大切なかけがえのない表現者の同士だと思っている。彼らの次の展開が私の表現を刺激してくれる。
教室個展は、シンプルだがとても内容の充実した良い展示になった。

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