FC2ブログ

工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

年の瀬の訃報 

2018/12/23
Sun. 17:28

年の瀬になって急に慌ただしくなった。
宗門手帳を見ると、12月のページはほぼ空白で2日のワークショップと14日の新蕎麦の会と松永さんの来訪くらいだったのが、ここにきて連日のようにアチコチから駆け込み法事などの問い合せが入って、土日祭日を中心に年末ギリギリまで寺の用事が立て込んできた。
たぶん、そういうことも今年だけのことだと思う。
例年だとこの時期は根雪になるかならないか微妙な感じの雪がそれなりに積もっていて、そういう時に駆け込み法事の依頼などまずこない。寺の方は毎年変わりなく冬シーズンの維持管理を中心に年末年始の決まりごとを粛々と繰り返しているだけのことなのだが、今年はそれもなかなか出来なくて、その影響で石見銀山の吉田家のことがどんどん後回しになっている。このままだと年内に済まそうと思っていた自分の彫刻制作など、完全に何処か遠い彼方へ消え去ってしまいそうだ。せっかく材料も届いて消耗品の補充も済んだところなのに・・・なかなか自分の思うように上手く事が進まないものだ・・・

萬善寺で幾つかの用事を片付けていたらワイフから電話が入った。
石見銀山の天理教大森支部長さんのご母堂が亡くなったとの知らせだった。天理教は日本宗教をザックリくくると神道に寄っていて仏教とは葬祭の様式がずいぶん違っている。私は仏教でいうところの通夜に当たる神事しか参列できないからその開始時間へ間に合うように急いで石見銀山へ帰った。喪服は着る機会もないまま何処かに仕舞い込んだままだから、寺で改良衣に着替えてそのまま通夜神事に出席した。坊主が改良衣で榊を玉串奉奠するという、日頃はなかなか遭遇しない機会を得たわけだが、個人的には故人を見送る気持ちに変わりがあることでもないし、それはそれで何の問題もないと思っているのに、隣に着座の参列者がやたらとうるさく根掘り葉掘り知ったかぶりの宗教を問い掛けてくるものだから、とにかくボク的には面倒臭い居心地の悪い通夜神事になってしまった。

帰宅して、賞味期限が切れて不味くなった日本酒を飲みながら遅めの夕食を済ませて少し落ち着いてから自宅のパソコンを開いてメールチェックをしたら、木彫家の小島弘さんの訃報が入っていた。詳しいことはわからないが、もうかなりの高齢だったからきっと大往生だっただろうと思うことにした。
島根県の小品彫刻展をスタートした当初から数年前まで毎年欠かさず素敵な木彫作品を出品していただいた。奥様に先立たれ、その後しばらくして自ら介護移設へ入所され、静かな余生を送られたようだ。小品彫刻展の方は、入所を決断されたところで丁寧な出品辞退の手紙を頂いた。
何事も几帳面に滞りなく処理される様子は、日頃から自堕落に過ぎる私にはなかなかマネの出来ないことだ。
まだ健在だった頃の厳格な所作言動は、気楽に近づき難いオーラが漂っていて、田舎者のボクなどは視線を逸らせて避けて通っているようなところもあったが、小島さんの方はキチンと吉田と吉田の彫刻のことを認識されていたようだ。
木彫の小島彫刻は抽象への境界を踏み越える一歩手前までデフォルメされた緊張感のある洗練されて気骨のある具象のムーブマンが実に魅力的だった・・・九拝合掌・・

IMG_3630.jpg

更新追記:11/11坊主彫刻家的嗜好
徳島でいい感じの錆色に色づいた彫刻が石見銀山のいつもの田んぼへ帰ってきました。
これから年越しをして3月末まで動きません・・・みなさん、冬の間しか観ることができませんよ!

[edit]

CM: 0
TB: 0

page top

この記事に対するコメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://tetujin29.blog31.fc2.com/tb.php/3158-e05855b1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

page top

2019-06