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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

それぞれの正月 

2019/01/03
Thu. 23:14

正月3日は元日から続く年始の朝課法要最終になる。
この三ヶ日はだいたい1時間半から2時間をかけて本堂から庫裏の各所に安座される仏様方を巡って国家平安とか家内安全などの祈念をする。
先代住職は、まだ元気に身体が動く間、僧堂の修行時代から引き継いだ朝課システムを頑なに守り続けていたから、弟子の私もそれに習って鐘つきなど導師さまの侍者をしていたが、住職交代から後は少しずつ自分のペースに切り替えて今に至っている。
3日めの朝は、ワイフたちも石見銀山へ帰ってオヤジの一人暮らしが戻ったから、少しゆっくりと法要の準備をしたので、朝課が全て終わって大衣を脱いだ頃にはすっかり冬の夜が明けていた。

万善寺では昔から3日が保賀の集落の年始回りに決まっていた。
少年時代は住職のお供をして年始に歩き、やがて一人で年始回りをするようになり、結婚してからはワイフと回り、子供が出来て少し大きくなった頃からは子供たちと一緒に回り、その子供たちも自分の意志が固まり始めると長男から順番に一人ずつ減って、今はまた昔のように一人で集落をグルリと一周している。
最近は正月2日の年始参りされなかったお檀家さんへも早いうちに年始の品を持って回ることにしている。今年は青空の見えるうららかな日和になったので、保賀地内を回る流れで飯南高原をグルリと一廻りしておこうと決めた。
お昼前に寺を出発すれば、だいたい3時間ほどで終わるだろうと予定を立てて準備していたら電話が鳴った。
家族がいて賑やかだった頃は正月早々から長電話をしていたこともあったが、オヤジの一人暮らしが普通になった今では正月に電話が鳴ることも無くなって静かなものだ。
新年早々の電話はあまり良いことでないかも知れないとドキドキしながら出てみると、お檀家さんから1月に祥月命日のご先祖様にお経を読んでもらいたいと法事の依頼だった。仕事始めが普通に諸官庁へ準ずるようになって、いつまでも正月気分でノンビリとしていられなくなった昨今、そのお檀家さんもお休みをとれるのは今しかないし、ちょうど雪も降らなくて良い天気だし「万善寺さんのご都合が許されるようでしたらと急に思いつきまして・・簡単なことで構いませんから今日お経を読んでいただくと助かるんですが・・・」
自分の都合ばかりで申し訳無さそうな口ぶりだったので「ちょうど年始回りをするので、そのついでで良ければ・・・」ということになって、急きょ正月3日の法事が決まった。

急なことで塔婆も用意できないままの略式法事になったが、それでも喜んでもらえて帰りにはおせち料理のおすそ分けも頂いた。ワイフ手造りおせちとあわせて、たまの吟醸酒一杯で豪華な夕食になって、ひと心地してからSNSをチェックしたら、3姉妹が東京のおばあちゃん家へ集合してくれていて、久しぶりに孫たちに囲まれて嬉しそうだった。いつもは一人暮らしのおばあちゃん手造りのおせち料理はビックリするほど大量で豪華だ。たぶん、それぞれの孫たちへ少しずつ持ち帰らせるための気遣いもあるのだろう。
寺の正月は一般在家の団らんとは縁遠いところで過ぎていくが、一般社会でも正月営業で働く人々も限りない。
平成元号最後の万善寺の正月三ヶ日は珍しいほど穏やかに過ぎた。

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