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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

周藤さんの彫刻 

2018/11/12
Mon. 23:39

周藤さんの彫刻が徳島から帰ってきた。
彼が軽トラックで搬出に行くと決まってから、吉田の彫刻も一緒に搬出してくれるというので甘えることにした。
富山町の周藤彫刻の定位置へ設置することになっていたので、事前に草刈りもしておいたし、あとは彼からの連絡を待って現地集合すればいい。
それまでは個展用の彫刻を制作しながら工場で過ごすことにした。

「今から工場へ行きますから」と彼から電話が入ったので「彫刻の設置手伝うよ」といったら、もう終わったという。ひょっとして、私の手伝いを遠慮したのかも知れない。
彫刻のことはおたがいさまで、持ちつ持たれつ協力し合いながら助かっているわけだから、遠慮することも無いだろうと思っている。そのうち自分も歳をとって手伝おうにも身体が思うように動かなくなるだろうし、そうなると、何かと周藤さんに手伝ってもらうことのほうが増える。できたらもう少し長い目で見て負担のない気楽な付き合いが続くと良いと、私は思っているのだけど・・・

彼は数年前から彫刻の方向性が安定してきたように感じる。
「彫刻の方向性」といっても掴みどころのない曖昧な言い回しだが、長い付き合いの中で彼の彫刻を吉田的に勝手に整理して見ているようなところがあって、そういう目で見たときの彫刻の成長の印象のようなものだ。
思うに、彼の彫刻表現のテーマは、いまのところまだひとつに定まらないまま揺れているようなところがあって、短期的な刺激がそのまま彫刻の造形へダイレクトに置き換えられている気がする。現代社会の象徴的な事象に刺激を受けたナニカを彫刻テーマの軸にした抽象彫刻として表現されている。
最近ではひと頃の現代美術に多く見られたメッセージ性の強い彫刻を見る機会が少なくなった。造形上の素材とか技法とか工法とか形態をある程度統一することも大事なことかも知れないが、そういうことに縛られすぎて彫刻のテーマやメッセージの広がりが無くなって制作が萎縮しないでほしい。今のような方向性の彫刻が、そのうち彼のオリジナルになって個性になっていくと良いと思う。
それでも野外彫刻としての耐候性のことがひとつ気になる。
野外彫刻は公共性も強くなるし、設置環境を配慮して安全でできるだけ長持ちすることが望ましい。制作上のミスが残ったままになってしまうと、ソレが元で彫刻の劣化が進む。天災人災、何が起きるかわからないから、あらかじめそういうことも予測しながら制作をすることが大事だ。これからも続く長い作家歴の中で、少なくても野外彫刻に関してはなによりも堅牢であることを目指して欲しい。

「通勤の行き帰りであの彫刻見てるんですよ。知らない間に前のが無くなってて・・・アレ何処へいったんですか?」
「アレはですね、今、岡山の方へ行って喫茶店の横に置いてありますよ」
「あぁ〜、そうなんですか・・・あの彫刻好きだったのに・・・」
富山町では少しずつ周藤彫刻のファンが増えている。

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