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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

法事の日 

2019/03/23
Sat. 23:21

俊光禅尼大祥忌(前住職内室俊江さん三回忌)の朝は雪になった。

法要の準備のこともあって前の日から万善寺暮らしをしていたのだが、いつもより朝晩の冷え込みが厳しくてこの時期としては肌寒く感じていた。
自分ひとりだとエアコンと灯油ストーブで乗り切るくらいのことだが、標高が200mは低い平野からお参りの親戚方は万善寺の寒さに耐えられそうもない。
春彼岸も過ぎたし、庫裏の障子や襖の建具を取り払ってサマーシーズン用に模様替えをしたばかりなのに、また電気コタツを引っ張り出すことになった。

春の雪が降る中、お参りの準備を整えていたらワイフが到着した。
石見銀山もいつもより寒い朝になったようだが、雪が降るまでにはならなかったらしい。
それからしばらくして、親戚のみなさんが揃い、法要のお手伝いにお願いした隣町の方丈さんが到着された。
お昼前には法事を済ませてお墓参りの後お斎の食事会になる。

はやいもので、前住職の憲正さんが遷化してから5年がすぎる。その間に、内室の俊江さんも相次いで亡くなってその後の年回法事が毎年のように続いた。
人の生死は予め予測できないから、自分の都合でどうこうできるものでもない。
それは十分にわかっていることなのだが、実際我が身の暮らしとなると、毎日がそういう予測不能の事態に備えて過ごしているわけでもないから、結局何かコトが起こるとそのコトでジタバタと焦って慌てて予定していたスケジュールがもろく崩れる。
避けて通れない通過点のようなものだからイザというときのために心の準備をしておくしかないことなのだということを改めて具体に感じた気がする。

法要の間に雪が雨に変わってお墓参りの頃にはそれもやんだ。
親族が集まるのもこれでしばらく間が空く。そのあいだにそれぞれが同じように歳をとって今よりは身体も動かなくなって老化が進んでいることだろう。こうしてみんなが元気な顔を揃えられるのも年々難しくなっていくかもしれない。
万善寺のお檀家さんだけのことかもしれないが、この近年、年回法事の依頼が減っていて、もう何年も音沙汰なくて途絶えた施主家もある。1年の間に盆正月と家族親族が集まる機会はあるのだろう、それで年回の先祖供養を兼ねているのかもしれない。
宗教の信心も形骸化した今、葬式請負人と化した坊主がどれだけ多いことか・・・
かく言う私自身もその一人なのだが、だからといっていまの世間で坊主の宗教観を切切と語るという機会も場所もなかなかみつからないし、それなりの説得力ある語りもできない。まぁ、現状を受け入れて自分でできることをできるように慎ましくコツコツと積み重ねていくしかないことなのだろう。

法事の日、ご参集の親族の皆様はどのような思いだったのだろう・・・
クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」を久しぶりに観た。以前に観たときとはまったく印象が違って思えた。家族の周辺の事情があの頃とは違ったからかもしれない。

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