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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

彫刻今昔 

2019/07/13
Sat. 23:58

軽めの室内楽を流しながらコーヒーを飲んでいたら宅急便さんが来た。
県外にお住まいのお檀家さんからお中元を兼ねたお供え物だった。
毎年同じものがこの時期に届く。
返礼は大般若祈念の御札と、万善寺オリジナル手ぬぐいの粗品と、今年は図々しくもボクの彫刻個展の絵葉書を添えることにした。

数日前に打ち合わせをしておいたお仏壇遷座の日が来た。
同級生のディーラーが修理工場と自宅兼用の一部を改築して、客間も兼ねた仏間を造ることが決まってからもう2年ほど過ぎた。
彼が依頼していた建築士や工務店が、広島を襲った豪雨災害の復旧で一気に忙しくなって、被害のなかった島根県の工事スケジュールが軒並み順延になった。改築工事の足場を組み上げたところで、それ以降の工事が完全にストップしたまま1年が過ぎ6月が過ぎるとそろそろ2年目になりそうだったところを、しびれを切らした彼の猛催促でやっと工事が再開し先頃引き渡しが終了した。

こじんまりと落ち着いた感じの玄関も出来ていて、案内された仏間と次の間の二部屋は、元々修理工場の一角にあった板金塗装や溶接修理のスペースだったところ。
そろそろ30歳になろうとしていた私が、結婚してUターンをすることに決めて島根に帰ってきた直後にはまだそのスペースが機能していて、アセチレンボンベや電気溶接の機械が並んで、ソレを同級生のおじいちゃんが使用管理していた。

帰省と同時に一時中断していた彫刻の制作を翌年の春から再開し、その年の秋には公募展へ出品した。
制作再開の1年目は大工さんへお願いして工務店経由で材料を取り寄せてもらって、ソレをベースにUターンの荷物へ紛れていた彫刻材料を工夫しながら構成してミクストメディアの彫刻にした。
2年目は島根の仕事も生活も少しずつ慣れて落ち着いてきたので、中期的な仕事のスケジュールを調整して、かなり計画的に彫刻制作を進めた。
使う素材ごとに工法を決めて数枚の図面を書き起こし、1枚は近所の棟梁へ材料ごとパーツ制作を依頼し、1枚は鉄工所のご主人へ図面を見てもらって材料の発注を代行してもらった。
幾つかのパーツを、それぞれ別々に依頼して、それらが集まったところで自分で溶接などして組み立てるという、今にして思うと、なんともめんどくさい工程を積み重ねて彫刻の連作を制作して、それを秋の公募展へ出品した。
たぶんその時の彫刻も、自分にとっては作品制作を再開した2作目の記念すべき作品であるし、自分で捨てたり処分した記憶がないから本気になって寺の何処かを探せば出てくると思う。その彫刻パーツを溶接して造った場所が、丁度今の玄関から仏間へ上がるあたりだった。あの頃の面影はもう消えて無くなったが、どこかしら懐かしくもある。遷座供養のお経を読みながら、昔の記憶を手繰っていた。
これからは法事の度に、あの頃制作した彫刻のことを思い出すことになりそうだ。

令心思理1のコピー (1)

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