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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

レプリカント 

2019/07/26
Fri. 23:58

なんとなく夜眠れないのでイジイジしていたら、私の気配を察したのかクロがでかい声で鳴き始めた。しばらくしてロフトへの階段を登る足音が聞こえてきて、それからすぐ耳元で「ニャァー!」と鳴いた。
わざと足音をたてて階段を登って来るような時は、だいたいメシの催促だ。
メシのことなら1階のリビングのすぐ隣で寝ているワイフのほうがずっと近くて都合が良いだろうに、クロは夜中のことになるとなぜか私を名指しで起こしに来る。
仕方なく起き上がると、クルリともと来た階段へ向き直って私が来るのを待っている。自分から先にたってスタスタと空っぽになった器の前まで行って猫座りすると、無表情な視線を合わせてくる。まったく、真夜中に人間をアゴで使っているふうでムッとくる。そのまま素直にクロの言うことを聞くのもシャクなので、先にオシッコをしてフェイントをかけてやる。トイレから出ると、ちゃっかりシロがクロと並んで待っている。こういうネコチャンズの行動をみていると、ワイフとボクの夫婦関係が何気にリサーチされて、夫婦の力関係をコピーされているように思えて益々シャクにさわる。
結局、今夜もワイフは寝たままで起きてこなかった・・・

完全に覚醒してしまった時は、無理に寝ようと思わないで映画を観ることにしている。面白ければ最後まで観終わるし、退屈すると途中で知らない間に寝てしまっているし、どちらにしても真夜中の2時間程度はすぐに過ぎてしまう。
AmazonPrimeでブレードランナーファイナルカットを観た。
ブレードランナーは確かバージョンが3つあったはずだ。
東京から島根にUターンして2年目くらいだったかに当時の劇場公開版がビデオになった。
あの頃はまだキネマ旬報を購読していたから、監督はあのエイリアンのリドリー・スコットだし、主演はハリソン・フォードだし、ブレードランナーのデータを読み漁って期待と妄想で脳みそがとろけそうになっていた。
今でこそ島根もTジョイシネマが増えて話題の映画はだいたい封切りで回ってくるが、35年前のあの頃の島根は老朽化した昭和の映画館が次々と廃業していて、ちょっとマイナーな封切りを観るには米子か広島へ出かけるしかなかったから、ブレードランナーを観るのも、ビデオのレンタルを待つしかなかった。
それで、劇場公開版だが、あとになってディレクターズカット版やファイナルカット版を見比べてみると、リドリー・スコットさんのブレードランナーに対する形而上的熱量の高さがストーリーの抽象性に昇華して、映像を通した視覚的芸術表現のレベルがより高くなっているふうに思えた。劇場公開版は大衆娯楽映画的位置づけが強かったから、それではリドリー・スコットさんの目指そうとしていた映画芸術としての着地点は望めなかっただろう。いずれにしても、観る人の価値観の問題だから商業映画としての良し悪しの判断は大衆社会へゆだねるしか無いことだろう。
2019年秋のロサンゼルスが映画の舞台になっている。現実では今年の秋のこと・・・改めて、いろいろと考えさせられる映画だった。
目が冴えて寝不足のまま目が覚めた朝、レプリカントのリーダー役で強烈に印象深かったルトガー・ハウアーさんの訃報を知った。偶然とは思えないことだ。
ボクにとっては今まで以上に、より一層忘れられない映画の一つになった・・・

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