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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

寒山拾得 

2019/07/28
Sun. 23:25

飯南高原は朝から30度近くまで気温が上昇して猛烈に暑くなった。
今年はひと頃のような梅雨らしい梅雨で長雨が続いたから、高原では珍しいほどの蒸し暑さだ。

朝の用事が一通り終わったのを予測したように洗濯機のブザーがなった。
洗濯物を干し終わってから何もする気になれなくてコーヒーをチビチビやりながらブログネタのメモを流し見していたら、玄関の訪問チャイムが鳴った。近所の人はチャイムを鳴らすことなど無いから、少し緊張して、急いでリーバイスを履いた。

この時期の寺ぐらしは、いつも朝のひと仕事が終わるとシャツにパンツ一丁でいて、隣近所の付き合いはだいたいソレで乗り切っている。
先代夫婦やワイフがいたりするとモッテノホカのだらしない事と絶対に出来ないことだが「見た目ばかり気にしても中身がなければしょぉ〜がない」という、身勝手な持論を駆使してここ数年を乗り切っていたら、一部決まった常連訪問者の間では特に気にされる様子も見えなくなってきたところだ。もっとも、あとになって誰かが何処かでどんなコトを言いふらしているかまではわからないけどね・・・
昔の文献をチェックすると、寒山拾得羅漢尊者などなど、今の時代よりずいぶん涼しくて過ごしやすかっただろう百年千年昔で、無精極まりないスタイルの絵画彫刻の逸品をよく見かけるし、堂々と正直に「暑い時は暑いなりの過ごしようもあるのだ!」と、私のような偏屈のだらしない坊主が一人くらいいてもいいだろうと判断して実践しているわけであります。

閑話休題・・・

訪問者は、大万木山の麓にあるお檀家さんだった。
「おばあさんが、亡くなりまして・・・」
病院から直接寺へ寄った様子だった。
「ソレはご愁傷さまのことです・・・何か、ご心配でもありましたらお聞きしましょうか・・」
おばあさんは行年98才の大往生であった。眠るように亡くなったという。
「ご遺体がご自宅へお帰りになりましたら連絡してください。枕経をおつとめにお伺いしますので」
それから、必要なものをアレコレ準備して待機していると、夕方になって連絡がきた。
そのお檀家さんの先は大万木山へ続く林道になっていて、その林道を少し登るとレストランを兼ねた研修施設がある。其処を過ぎてしばらく行くとブナ林がはじまる。ブナの木はある程度の高山でないと生息しないから、標高450mあたりの万善寺周辺にブナ林はない。それだけこのたびのお檀家さんのご住居が標高の高いところにあるわけで、枕経を読んでいる間も、ヒンヤリと爽やかで涼しい風が心地よかった。
「これだけ涼しいとエアコンはいらないな・・・」
おばあさんは、とてもおだやかな寝顔でやすらかにお休みされていた。

辻晋堂 作 寒山拾得
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