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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

混同か合体か 

2019/10/28
Mon. 10:39

久しぶりに一日中まとまった雨になった。
吉田家のトタン屋根を激しく叩きつづける雨の音で夜のうちに目が覚めた。
最近は処方してもらった薬のおかげもあって、夜中に目覚めることも随分減った。
その薬もそろそろ飲みきってしまうので、幸いに雨で外仕事もできないし、近所の整形外科へ通院することに決めた。
「病院行くんだったらお昼前が少しすいてるわよ・・・」
仕事へ出かける前にワイフが教えてくれたから、いろいろと準備をして丁度良い頃合いを待って出かけた。雨は時折土砂降りに変わって強く振り続けている。病院までの間、雨の降る中、作業員がずぶ濡れになって道路の補修工事をしていた。自分の都合で休むことのできない彼らが可愛そうになる。

今月末には六本木の展覧会の会期が終わって彫刻の搬出作業がある。
春の手術入院のこともあるし、今年の彫刻制作はあまり無理をしないように気をつけたつもりだが、普通に何もしないで過ごしているわけでもないから、結局はそれなりの無理が続いた。制作の工程を見直して、できるだけシンプルで右手の負担を軽減できることを考えた。それで彫刻の造形が崩れてダメになるくらいならいっそのこと制作を中止するくらいの気持ちで始めた。
こういうときは知らない間に自分をかばって適当なところで妥協してしまったりする。
彫刻を初めて2〜3年だっただろうか・・・会期中の彫刻講評会のときに「昼の仕事が忙しくて制作時間がうまくとれなかったものですから・・」などと、形の破綻を弁解がましく取り繕ったら、講評の委員から「そんなの関係ないでしょ!あなただけじゃなくてみんな似たような環境で他に仕事しながら制作してるんだから・・ようは、その彫刻が良いか悪いか、ソレだけでしょ」と、ピシャリ言われたことがある。
その時は「クソ、コノヤロウ・・」と、自分の甘さを棚に上げてムッときたが、あとになって帰りの夜行寝台でチビチビやりながら思い直してみると、確かに言われたことももっともなことで、自分の彫刻制作に対しての認識の薄さに気づいた。

とにかくどんな事があっても他の事情と彫刻のことを区別して混同しないようにしようと肝に銘じてから、カレコレ35年が過ぎた。毎年何かしらの出来事が彫刻制作に絡んできて、なかなかしんどい時もあるが、なんとか今まで良いも悪いも含めてそれなりに自分で納得しながら彫刻を造ってきた。上野から六本木に展覧会場が変わった時、自分の彫刻は六本木の美術館にそぐわない気がして下見に行ったことがある。それでこれをキリに公募展を辞めようかと思ってもみたが、結局ナンダカンダいっても公募団体展へ出品する彫刻は1年に1作しか制作しないわけだし、10年続けてもたかだか10作の彫刻しか残らない。自分のテーマを追求して苦悩して悶々と掘り下げているとしても「たった10作の彫刻で何が語れてどんな方向が見えるのか知れたものだ・・・」そうも思えるところもあって、何かしら撤退というより敗退という気もして「ソレもイヤだな・・」と今まで続いた。
最近は坊主メインの彫刻制作になりつつあるが、ソレも宿命だし、きちんと区別して言い訳がましい彫刻にならないようにしたいものだ・・・といって、どうもこのところ坊主と彫刻は混同というより合体という感じになってきた気もするなぁ??・・・

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