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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

背中が熱い 

2020/01/07
Tue. 23:20

「夕べ7℃でしたよぉ〜。あたたかいですがぁ〜・・」
お通夜のはじまる前にお茶を用意してくれたお手伝いの奥さんがそう言っていた。
確かに、この2・3日は雨は降っているがあたたかい・・・というより、雨が降っているからあたたかいといったほうが良いのか??・・・とにかく、なにか、とてもおかしな冬だ。
「わたし、嫁に来てから雪のない正月はじめてですぅ〜・・」
お手伝いの奥さんよりどう見ても年上だろうボクでも覚えがないことだから当然のことだ。
「昭和38年の豪雪の時は、うちの方でも2階から出入りしてましたけぇ〜ねぇ〜」
「そぉ〜そぉ〜、寺も本堂の屋根から参道まで雪がつながってスコップをソリにして遊んでましたもの」
「もう、あれくらい降ること無いでしょうねぇ〜・・、ありますかねぇ〜・・」
「さぁ〜・・どうでしょぉ〜かねぇ〜・・だいたいに最近はずいぶんとあたたかくなりましたからねぇ〜」
「大万木山がまだ白くないですけぇ〜・・」
この時期のお通夜で雪がまったくないことは副住職時代も含めて経験がない。
夜は冷え込むかもしれないと思って白衣の裏へホッカイロを3個も貼り付けておいたのだが、全く効果がなくてむしろお経を読んでいる間背中が熱いくらいだった・・・

節分の前後にやってくる節分寒波があるから、それなりに雪の覚悟はしておかなければいけないことだが、それにしても楽な冬の葬儀になった。お手伝いの自治会の皆さんも助かっていることだろう。
亡くなったおばあさんのご主人は、電工さんだった。
私がまだ小学生だった頃はまだご主人もお元気で、万善寺のお年始会へお参りもされていた。それこそ、昭和38年の豪雪前後のことだから、毎年のようにものすごい量の雪が降っていた時代だ。
子供ながらによく覚えているご主人のお話がある。
たまたまのめぐり合わせなのだろうが、それからずいぶん経って私が学校の先生を早期退職する少し前に、別の電工さんから同じ話を聞いた。
「若いヤツはとにかくヤルことがザツだから危なくて見てられない。一つ間違えば自分の命が無くなるような危ない仕事をしているという自覚が薄いから、よく怪我もするし、すぐにバテてアゴを出す!」・・・というような内容のお話。
電工さんといっても色々な現場の仕事があるだろうが、いずれにしても高所での作業もあるに違いない。万善寺は山寺だから、昔は周辺に山仕事の林業従事者も多くて、植林の間伐材の下敷きになったり枝打ち作業中に転落したりと、仕事中の事故で亡くなる方も多かった。年回の法事を繰り出すときも何人か事故死があって、みなさん若死にだ。ちょっとした気の緩みがあったのかもしれない。
このたびのおばあさんは、30年も前にご主人を亡くされていたが、そのご主人は病死だった。それからまだ小さかったお子さんを女手一つで立派に育てられた。荼毘のお別れのすすり泣きにつられて、不覚にもお経の声が少し震えた。

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