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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

怜子さん以芳忌 

2020/02/06
Thu. 16:01

吉田家前の駐車場には、夜のうちから降り始めた雪が3cmくらい積もっていた。
通勤坊主の荷物を銀くんへ積み込んでいたら、隣の旦那が自分の車へ積もった雪を払うついでに銀くんの雪も払い落としてくれた。
「これからお寺ですか?あっちは結構積もってるんじゃないですか?」
「さぁ、どうでしょうかねぇ~、参道が登れるかどうか・・なんとなく里雪のような気もしますしねぇ~・・」
「道中気をつけて・・・」
「あぁ~どうも・・雪のほうもありがとう・・」
朝の挨拶がわりに雪を払ってもらったお礼をしている間も、休み無く綿雪が降り続けていた。銀くんを暖機運転する間に「雪道だからいつもより少し時間がかかるだろう・・」とAppleMusicからルイス・キャパルディを探して50分チョットのアルバムを再生した。
牧場の真ん中を切り取るように伸びている銀山街道を登り切ると、雪の重みでアーチ状にたわんだ竹がかろうじて銀くんの屋根をこすらないで済むくらいのトンネルを作っていた。それからしばらくの間、江の川へ合流する支流に沿って緩やかな下りの銀山街道が続く。雪が綿雪から粉雪に変わりはじめてはいたが、積雪は逆に少なくなった。中国山地をえぐる深い谷の底を流れる江の川周辺は山の中でも海抜が他より低いから降った雪はすぐに消える。
雪国に暮らす者の経験では、こういう雪の降り具合だと飯南高原の雪も大したことはないはずだ。
銀山街道から出雲街道へ合流して丁度保賀の谷へ右折するところで、ルイス・キャパルディが終わった。参道下の林道にはそれでも5cm位の積雪があった。4WDとシフトチェンジを駆使してお尻を降りながら銀くんを寺の駐車場まで上げた。予想通りいつもより5分位遅れて万善寺へ到着した。

早いもので怜子さんのドタバタ葬儀が終わって、二・七日が来た。
あれから、ワイフとトシちゃんの姉弟では、曽祖父の代から続く菩提寺を離れることに気持ちが傾いている様子だ。仏教のくくりは同じでも宗派が違うから仏式や経典解釈などが違って、善し悪しの判断は出来ない。その上、ワイフも義弟もこれまで信心深い仏教徒であったとは言いにくいし、単純な好き嫌いの感情だけで宗派替えを即決するのもどうかという気がしないでもなく、坊主の末席にしがみついているボクとしては、自分の身近な親族身内の出来事として見過ごすことも出来ないし内心なかなか複雑な気持ちだ。
とにかく、菩提寺さんと葬儀話がこじれて「万善寺流でよければ」と引き受けたわけだから、四十九日までは責任を持って曹洞宗として七日ごとのお経を絶やさないでいたい。
まずは底冷えのする本堂を業務用の灯油ヒーターで温めて、怜子さん用に即席の祭壇を用意した。お供えのことなど十分なことは出来ないが、しきびの花と線香蝋燭を準備して、怜子さんの好きだった梨と、私が常飲しているそば茶の熱いのをお供えに変えてから二・七日参りのお経を読んだ。
万善寺の先住職夫婦は二人とも生前すでに得度授戒を済ませていたから、七日ごとの供養も無くてほぼ1ヶ月をゆっくりと四十九日の大練忌法事厳修に向けて準備に使うことが出来た。非力ながらせめてボク一人でも怜子さんの仏道修行を引き継いでお助けしよう!

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