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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

我儘 

2020/02/07
Fri. 13:03

土地の立地条件が関係しているのかどうなのかよくわからないが、飯南高原で俗に云う「節分寒波」は、良くも悪くも不思議なほどに今までだいたい言い当てていて、そこに暮らす住民は冬の過酷な環境をそれはそれとして飲み込んで受け入れているようなところがある。
節分から立春は、万善寺で年間に幾つかある寺の仏事行事として毎年欠かさず引き継いでささやかな法要をする。
本堂が寒くてナンチャッテ住職の気持ちが萎えることもあるが、その程度の我儘で仏事をサボるわけにもいかないから、自分の軟弱な心身を騙し騙し下手くそなお経を読み続けている。
吉田家の方でも、節分の豆まきをするから、吉田家施主であり万善寺住職であるボクは二箇所で行われる2つの年中行事を時間差で乗り切るしかないことになって、節分寒波の真っ最中に銀山街道や出雲街道界隈を朝夕行ったり来たりの通勤坊主を続けている。今年は、それに怜子さんの七日努めが加わったから、この時期にドカ雪でも降ったらどうしようと毎日気象情報を検索しながらビクビク暮らしていたが、幸い、運良く、過去に前例を覚えていないほどの暖冬になって、立春も里雪で済んで、自他共認める雨男も随分と楽をさせてもらった。

昔の仕事で付き合いのあった美術の先生が3月末までの勤務を終えて定年退職をする。
それに併せて回顧展をすることになって先日立派な展覧会案内状が届いた。リーフレットには初期の頃からの作品写真がテーマごとに系統立てて几帳面に配置されて、彼の性格が手にとるように良く伝わってくる・・・と同時に、数十年もの期間休まずに制作を続けてきた多数の作品群をよく大切に保管管理できていたものだと感心し感動した。
彼とは若い頃からの飲み仲間で制作仲間でもあるから、回顧展のほぼ全ての作品を知っている。幾つかは、随分と熱く語り議論を繰り返した結果の作品もあって、その時のことを懐かしく思い出される。
彫刻家の吉田には、彼のような几帳面さもないし制作を終わった彫刻を資料ファイルで残すようなことを思いついたこともない。出来上がった彫刻も、ほとんどサインすることがないからあとになって制作年代や正確なサイズの問い合わせがあったりすると大騒ぎになって気持ちが萎える。彼のように自分の作品に対して責任を持ち続けることも大事なことだと、リーフレットを見ながら改めて反省した・・・といっても、今更どうなるわけでもないけどネ・・・

平成元号が終わろうとする頃から回顧展案内が頻繁に届くようになった。自分の作家歴がそういう制作を一区切り付ける作家諸氏とうまい具合にシンクロしているのかも知れない。丁度その頃から、彫刻家としての活動を大幅に整理しようとボンヤリ思っていたのだが、こうして彼からの案内状を見ると、これから先わずかに残った作家活動の方向というか方針というか、そういうものが具体的に見えてきた気がする。長年付き合っている彼には悪いが、基本的に彫刻家吉田正純が絡まない各種展覧会を失礼することにした。大鉈を振るって絶断する気はないが、例えば年賀状のように、少しずつ規模を整理してさり気なく何気なく表立ったお付き合いから消えていければいい。
我儘なことだがそろそろ造形に対する我欲の毒を抜いて天地に向き合う自分を大事にしてみようと思うようになった。

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