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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

不殺生戒の憂鬱 

2020/05/06
Wed. 23:17

連休最終日の朝はすでに9時前から気温が20℃を超えて夏のように暑くなった。
少し前は雨が降り続いていてトレーナーだけでは肌寒いから、もう洗濯して仕舞ってあった冬物をまた引っ張り出して重ね着などしていたのに、急激な気温の上下に自分の身体がついていかなくて苦労する。

朝のうちに境内の掃除をできるだけ先へ進めていこうと思って本堂の東側へ回ったら、猫や豆柴より少し大きいくらいのアナグマがのんびりと散歩していた。
夕方に裏庭をうろついているのは見かけるが、朝のうちに境内で遭遇することは今までになかったことだ。時々ゴロリと寝転んでリラックスしているし無理に追い払うのも可愛そうな気がして、ひとまずその場を退散してやり過ごすことにした。見た目は可愛いがすごい爪を持っていて結構凶暴だったりするからあまり刺激をしないほうが無難だ。結局、その日はそれから他のことをしていたら屋外の作務に手が回らなくなってそのまま過ぎた。

境内の東側には豊川稲荷の祠がある。
狭い境内だから冬になると本堂の屋根からずり落ちた雪に押されて今まで何度も横倒しに倒れている。
見かねたお檀家さんが「基礎石にアンカーでも打って止めてしまったほうがいいじゃぁ〜ないですか?なんならワシがやってあげますで、そのくらいのこと・・」と親切に言ってくれるのだが、そうして無理に固定してしまったらかえって祠がバラバラに壊れてしまうおそれもあるので、気持ちだけ有難くいただいて申し出を断ることにしている。
倒れた時は、雪が消えて初午祭までに近所の男手を3人ばかりお願いすればなんとか元通りに安座できる。そのかわり、ご本尊の荼枳尼天さまやあれこれの仏具がそのままだと祠の中でひっくり返って粗末になるからそれらのものは本堂の拝殿へ遷座してそちらの方で手厚くお祀りして拝ませてもらっている。
そういう、なんとも扱いにくい豊川稲荷さまであるが、たまに地域のお年寄りがお参りされることもあるので荒れ放題にほったらかすわけにいかないから季節の節目には少し念入りに整備している。
昨年の春は入院で留守にして、その間に祠の周辺に山が一気に迫って様変わりした。
アナグマがいなくなった頃合いを見て様子を見てみると、昨年まで見ることのなかった小さな黄色い花が満開に咲いていた。最初はタンポポくらいに思っていたのだが、まったく違った種類の花だった。いつの間にこれほど密集して根付いたのだろう。
その黄色い花のせいでもあるのだろう祠の周辺がどこかしら華やいだ感じだから刈払うのも可愛そうというかもったいない気がして、ひとまずその花が終わるまで境内作務を待つことにした。

軟弱な情に流されて後になっておおごとになることがよくある。
随分昔から寺の境内のアチコチへ己生えのマーガレットが根付いていて、ソレがそろそろ白い花を咲かせ始める。そうなると、今度はまたその花が咲き終わるまで刈払うのも躊躇することになってキリがない。
なかなか殺生に踏ん切りがつかない。生き物に優しすぎるというのも厄介なことだ。

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