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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

祈る毎日 

2020/05/09
Sat. 23:51

「31日に法事したいんですが空いてますか?」
「丁度その日は大般若法要の手間替え随喜が入ってまして・・・この時期のことなので中止になるかもしれないし・・ご案内のはがきがそろそろ届くと思うんですが・・」
「そぉ〜ですかぁ〜、こういう時なので法事も近い親戚だけにして自宅の方で一切済ませようと云うことで話してるところなんですけど、それでもそろそろ予定を決めて案内しておかないと・・・」
「そぉ〜ですねぇ〜、なにかとご心配のことです・・・それじゃぁ〜、先方の方丈さまへ聞いてみますので、なにかわかったらこちらから改めて連絡させていただきますので・・」
・・・とにかく、この度のコロナ騒動は先々の展開が曖昧で見通しがつかないで困る。
生命が一大事ということは承知だが、具体的に実態が見えてこない驚異に対してはどうしても気持ちが緩んで、みんなが頭の数だけ考えも違ってなかなか一つ事にまとまらない。
在家坊主の末寺住職ごときであっても、自分の都合を優先で仏事を押し通すわけにもいかないくて、末寺住職だから余計に「あなたの都合」へ寄り添ってあなた次第を優先しながら毎日を過ごしている。

大般若法要開催の有無を問い合わせたらご住職は仕事で留守だからと老僧が応対された。「ハイハイ、こういう時期のことですから、住職も中止の方向で考えているようで、ご案内が遅れていまして・・・どうぞどうぞ、オタクの都合を優先してくださいませ・・」
「そうですか、それじゃぁ法事を受けさせていただきますので、何かのときはお知らせくださいませ。ご住職へ宜しくお伝えください」
と、一応の了解をとりつけて電話を切った。
ご住職本人は、確か小学校だか中学校だかの校長先生をされているはずだ。奥さんも学校の先生で、老僧夫婦も昔は先生だった。子供は何処かの大学の医学部で勉強中のようだし、お寺全体が先生で集まっている。
万善寺はというと、年中行事の法要が一つなくなると現金の布施収入が途絶えて、一気に生活が厳しくなって月々の光熱水費もまともに支出できなくなってしまう。何が何でも法要を中止するという選択肢は無い。万善寺23世現住職は想定外の苦労を背負ってなかなか平静でいられない。

5月に入って直ぐに本堂の仏具を須弥壇の御本尊様へ向かって正面に配置換えした。
先代住職は、祈祷法要の続くようなことがあると時々そういうふうに経机を配置換えしていたのだが、ナンチャッテ坊主の現住職はそこまでして祈祷できるほどの技量もないし、在職以来今まで祈祷で御本尊様へ向き合うことなど恐れ多いと避けてきた。
世界へ蔓延したコロナウイルスは500万人近く感染しているとされる。第二次世界大戦で民間軍人あわせて5000万人の被害者とは桁が一つ違うものの、現代地球世界の発展を思うと、自然の具体に対して人々はあまりに傲慢に驕りに過ぎ無知で無力だと感じる。
森羅万象のうつろいに寄り添って分相応の自分を静かに見つめることも今を生きる人にとって大事なことのように思いつつ、下手な祈祷太鼓に託して国家昌平万邦和楽福寿長久、それに山門康寧を祈る毎日である。

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