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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

働くこと 

2011/08/19
Fri. 06:03

万善寺法要の当日は、朝、夜が明けるのを待って庭掃きをはじめた老師。
前日が土砂降りで寺の外回りの掃除が出来なかったことを気にかけていたのでしょう。

万善寺は夏の盆月に施食会と大般若会の2つの法要を別々に行っていました。
それが1日になったのは、かれこれ30年ほど前のことでしょう。
老僧が今の私より少し若かった頃に、おかみさんと相談して行事の統廃合に踏み切ったのです。

今から30年前というと、まだまだ日本が元気な頃で、日本中の若者が田舎から都会に流出し、安定した職と暮らしの保証を確保出来ていた頃でもあります。
一方、年齢と共に少しずつ身体が動かなくなったり、気持ちが萎えて衰えてくることを実感した住職夫婦は、夏の行事を精選することで、自らの業務負担を軽減し、働き手や寺参りの少なくなった田舎社会の現状に順応しようと考えたようです。

結局、30年後の今を見ると、当時の住職夫婦の決断は、残念ながら万善寺の運営基盤の弱体化につながって檀家さん方の万善寺帰属意識を逃がしてしまったようでもあります。

そんな訳で、結局現在は老僧夫婦が老朽化した身体を酷使しながら、寺の作務を維持しているわけです。
私がそのような状態の寺を引き継ぐのは、選択肢の無い避けられない現実でもありますから、この数年間は、少しずつ自分の周辺を整理して老師夫婦の寺暮らしを支えてきました。

「一日不作・一日不食」という有名な禅語があります。
今の老師夫婦は正に身をもってそれを証明し続けることで、自らの生きる力に変えているように思えます。

この数日間は、老師のアルツ症状の悪化が加速しています。
おかみさんの方は、井戸の底で見上げる空の広さがどんどん小さく狭くなっていきます。

そのような老僧夫婦にとって、もうしばらくの間は冷静に自分達の立ち位置の現状を確認できる状態にはならないでしょう。
なにはともあれ、出来るだけ早く日常のつつましい静かな暮らしに落ち着いてほしいものです。

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