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工房むうあと鉄の手仕事

鉄の彫刻家、吉田正純の手仕事、彫刻や展覧会の紹介、万善寺住職活動など、さまざまな日常を公開します。

拈華微笑 

2012/01/27
Fri. 08:27

寒波が来るというので寺のおかみさんが石見銀山はどうかとか、雪道は危ないから車に乗るなとか、予定をキャンセルして雪がなくなってからにしてもらえとか色々心配の電話を行く先々へかけてきて、なかなか落ち着かなくて苦労します。
この間も、彫刻の搬入で広島へ行った次の日に早速何処かから情報をしいれてお叱りの電話が入ってきました。

一つ一つおかみさんの云うことを聞いていたら、家族が路頭に迷ってしまいます。
おかみさんのこのような心配性は、私が子供の頃からそうでしたが、この近年、万善寺の作務で深く関わるようになってから益々バージョンアップして、最近ではそれが病的に思えるほど激しくなりました。

思うに、「心配」することがおかみさん特有の生活信条になっている気がしています。
心配とは「心を配る」慎ましさがさり気なく醸し出されることによって、それが伝わることの心地よさに、お互いの連帯や信頼が芽生え、優しくなれる「感動」の一つだと思っています。

「老婆親切」は宗門僧侶の修行心得として重視される気遣いを云うところあたりからはじまった言葉のようですが、それも度が過ぎると修行の妨げになる諸刃の剣にもなりかねません。
最近、何処から見ても年齢的にも老婆と言っていいおかみさんの私に対する「心配」は、あれこれ気を使いすぎて、自ら不安の種を育ててしまっているような状態になっているのかもしれません。
もっとも、それが元気のもとになっているのかも知れませんが・・

一晩中降り続いてタップリ積もった雪景色の万善寺へ到着すると、すでにおかみさんが曲がった腰をさらに曲げて雪かきをしていました。
私のポンコツ君を境内まで上げることが目的のようです。
とても無理な話ですが、彼女にはそれなりの信念があるように思えます。

北風で足早に流れる雪雲の切れ間にスッキリと晴れ渡った青空を見上げながら大きく深く深呼吸を一つ。
芥子粒のようにチッポケなナンチャッテ坊主が、せめておかみさんの前だけでもと精一杯の「拈華微笑(ねんげみしょう)」も、見事に無視される始末。
なかなかお釈迦様のように簡単にはいきませんなぁ・・

IMG_2683.jpg

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